Jun 03, 2018 interview

カンヌで21年ぶりの戴冠! リリー&サクラ“夫婦”が語る、是枝監督の即興的演出とは?

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「理想の女性」「顔もタイプ」と絶賛されるも、安藤は“お肉”でリリーへの評価が一変?!

 

──これまで同じ作品に出演されることはあっても、ガッツリお芝居するのは初めてだったと思いますが、お互いのイメージは?

リリー これまで何度か夫婦役でご一緒するという企画はあったんですけど、毎回流れてたんですよ。

安藤 そうなんです!すごく多かったですよね。

リリー 企画としては、夫婦役は3回目なんですけど、今回初めて実現して。(安藤が出演している)映画はよく観ていて、すごい人だなと思っていたんですけど、生で観るとやっぱりもっとすごいなと思いました。女優さんとして素晴らしいということはもちろんわかっていたんですけど、やっぱり人としても本当にいい人。素晴らしい人だなって思いました。

安藤 やったぁ(笑)。

リリー 女優さんとしても生々しい演技をされるので、女性としても母親としても生き物感がすごい。ある意味、理想の女性ですよね。顔もタイプです。

安藤 あははは(笑)。顔の話、散々しましたもんね。

リリー 卵型のタレ目が好きだっていう話をしてたんですよ。意外といそうでいないんです。

安藤 撮影の待ち時間にみんなで顔の話はいっぱいしました。

リリー 男は俺と(劇中の息子である)祥太(城桧吏)しかいないから、女性陣が集まって喋り出すと女子会のノリですごいんですよ。

 

 

安藤 こういう部分をこういう風に整形したかったっていう話をみんなで散々してると、リリーさんが優しく「いや、そこがいいんだよ」とかおっしゃってくれて。

リリー 「そこがいいんだよ」って言うのと、「うん、そんなに悩んでるなら(整形を)した方がいい」っていうのと、両方思うんですけどね(笑)。

安藤 私はリリーさんとお会いする前までは、すごく緊張する気がしていたんです。でもご一緒してみたら、みんながリリーさんのことが大好きになっちゃうのがわかりました。

リリー 今、こんなこと言ってくれてますけど、前に1回、肉をあげたんです。肉をあげた時から急に「みんながリリーさんのこと好きなのわかります」って言い始めて(笑)。

安藤 あははは(笑)。

 

 

リリー 俺、肉配ってる人みたい。今日もタケノコ配ったし(笑)。

安藤 その肉の渡し方も違うんですよ。

リリー 前に「肉を食べたいね」って話をしてた時に、いいお肉をもらった時の美味しい食べ方っていうのが俺んちにあって、バターで焼いてキャベツと一緒にレモン醤油で食べるという話をしたことがあったんです。だから、キャベツやレモンと一緒に肉を渡してるっていうだけなんですけどね。

安藤 こういう気遣いがすごいなと思いました。是枝監督はこの家族のことを「みんなちょっと毒がある」とおっしゃっていたんですけど、だからこそみんなが人の気持ちがすごくわかるんですよね。リリーさんも含めて、みんなすごく優しかったです。いい家族でした。

 

撮了後に“万引き家族ロス”に。“夫婦”のシーンが追加になって「すごく嬉しかった」(安藤)

 

リリー 是枝さんは今回、信代役が安藤さんで良かったって思ってるだろうなと現場で感じていました。完成作を観ても改めてそう思いましたし、逆に他の人だと想像がつかない。是枝監督も実際、そうおっしゃっていました。だからこの家族の生々しさは他の女優さんじゃどうだったんだろうって思います。

 

 

安藤 良かったです(照)。でも、こういう取材で共演の方の話をしたりするのが得意じゃないというか…言葉が出てこないんですけど(笑)、でもすごい夫婦だったと思います(笑)。

リリー 意外と夫婦二人のシーンが少ないんですよね。是枝さんもクランクアップ前日にそう思ったらしくて、二人のシーンを撮りたいと言って、急遽クランクアップが1日延びて、二人だけで出掛けるシーンを撮ったんです。でも、あのシーンも結局編集されて、ないんです。

安藤 そうですね。でもあの夫婦の時間はすごく重要でした。私は撮影が終わる時に、「もう治さんに会えないんだ」とか「治さんとの時間が全然足りてないな」と思いながら眠りについて、朝起きたら「治さんとのシーンが増えました」という連絡が来ていて、すごく嬉しかったんですよね。

リリー 俺も撮影が終わってからちょっとロスになりましたもん。

安藤 うん、本当に。

──お互い、もう会えないんだっていう気持ちで?

安藤 会えないっていうのもすごいけど(笑)。

リリー もう会えないかもしれないっていう(笑)。