Feb 07, 2018 interview

「今年は女性が強い年だと思ってます」笠井信輔アナウンサーがアカデミー賞の行方を大胆予想!

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笠井

編集賞は、『ダンケルク』だと思いますよ。

だって、1週間、1日、1時間の出来事を“同時並行に描く”なんて、ノーランの出世作『メメント』の“時間まき戻し編集”や、『インセプション』の“夢の中の夢の中の夢3階層編集”(笑)より凄い離れ業やってのけてるから。

もう1作、ちょっと納得がいかないのが、作品賞にノミネートされてる『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』の盛り上がりのなさ、ですよ。

今回観た7作品の中で、TOPレベルで面白い。

第2次世界大戦中にイギリスの首相になったチャーチルの素顔を描いているんですが、見てびっくり、あの「ダンケルクの戦い」のときに、イギリスの首相は何をしていたか?というドラマを実に劇的に展開しているんです。

今や「ダンケルクの戦い」を「関ケ原」のように語れる観客にとって、この『チャーチル・・・』は、めちゃくちゃ面白い。

じゃあ、なぜ、作品賞の評判があがらないのか?

特殊メイクでチャーチルに扮したゲイリー・オールドマンの芝居が良すぎたから。

『チャーチル』は主演男優賞あげればいいね、と、なっちゃってるんじゃないかと。

アカデミー会員は特殊メイクの主人公、好きなんですよ(笑)

池ノ辺

前回、これから観ると言っていた『ペンタゴン・ペーパーズ』はどうでしたか?

笠井

ベトナム戦争中に、アメリカ政府がどれだけ国民に嘘をついてきたかという公式記録(ペンタゴン・ペーパーズ)をワシントン・ポスト紙がスクープしようとするマスコミ実録もの。

マスコミと対立するニクソン大統領が、だんだんトランプ大統領に見えてくるんですよ。

民主党支持のスピルバーグは、ほんとトランプ大統領が大っ嫌いなんだなとワクワクしちゃいました。

ほんと、面白いんですよ、ラストが最高。

でもね、メリル・ストリープ&トム・ハンクスが夢の初共演で、この3人が集まればこれくらい面白くて当然!というハードルの高さが災いして、主要賞は逃すのではないかなと思ってます。

池ノ辺

あとは『君の名前で僕を呼んで』ですね。

笠井

これに関しては、僕だってドキドキしちゃったわけですよ。

だって、ほら、キャストが美しすぎて・・・。

生田斗真が主演した『彼らが本気で編むときは』のように性同一障害がテーマだと受け入れやすいんです。

でも『君の名前で僕を呼んで』は綺麗な男同士だから、ボーイズ・ラブ・ムービーなんですよ、似て非なるもの。

どっちも美男子だと、どこに目をやっていいか分からないみたいな(笑)。

でも、ハッタリだけじゃノミネートされない。

男子高校生と男性大学院生の恋は、相当切なくて、さすが作品賞にノミネートされるだけあって、繊細で非常に良い話でした。

主人公のティモシー・シャラメくんは、この作品で大ブレイクまちがいなし!

でも、そんな若造に、アカデミー会員は票を易々といれないんですよ(笑)。

まだまだ、勉強してね、とね。

ゆえに、主演男優賞はチャーチル=ゲイリーで決まりですね。

池ノ辺

私は、作品賞に入ると思っていた『デトロイト』が、全部門でノミネートされていないのがびっくりして。

笠井

そうそう、ほんと、これはおかしい。

あともうひとつ、作品賞にノミネートされなかったことに関して大きく言いたいのは、『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』なんですよ。

池ノ辺

『ビッグ・シック』は私が予告編やったんですよ!これはめちゃくちゃ泣いた、いい映画だった。

でもゴールデングローブ賞にも入らなかったでしょう。

それでアカデミー賞はどうなるかと思っていたんです。

予告編は「アカデミー賞最有力」ってノミネート前につくっちゃったから。

そしたら『ビッグ・シック』は脚本賞にノミネートされたんです。

次の日、超特急で先付けナレーション付きで制作しました。

笠井

また病気ものと思ったら、素晴らしき家族との物語であり、2人の愛の物語でありという。

これがなんで作品賞にノミネートされないのかと思った。

脚本賞に入ったのは良かったけどね。

池ノ辺

脚本賞で良かったっていうのは、配給のGAGAさんも言ってましたよ。