Mar 10, 2018

インタビュー

FOXでの20年間でターニングポイントになった作品、そして今後について思うこと。

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池ノ辺直子の「新・映画は愛よ!!」

Season20  vol.03
20世紀フォックス映画
営業本部/FOXサーチライト
シニアマネージャー
平山 義成 氏

 

 

映画が大好きで、映画の仕事に関われてなんて幸せもんだと思っている予告編制作会社代表の池ノ辺直子が、同じく映画大好きな業界の人たちと語り合う「新・映画は愛よ!!」

第90回アカデミー賞で、最多4部門を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』や、主要2部門を獲得した『スリー・ビルボード』など、話題のFOXサーチライト作品の業務全体を統括をされている20世紀フォックス映画の平山義成さんに、映画の仕事に関わった経緯や現在の仕事の話などを伺いました。

→前回までのコラムはこちら

 

 

池ノ辺直子
(以下 池ノ辺)

平山さんは現在、20世紀フォックスの営業本部と、FOXサーチライトのシニアマネージャーという肩書きになっているんですが、そこに至るまでのお話を今回は訊きたいと思います。

 

平山義成
(以下、平山)

職歴でいうと映画の仕事しかしてないんです。

本当は大学に残ろうと思っていたんですけど……。

 

池ノ辺

そうだ!平山さんは、確か京都大学で心理学を専攻していて、大学院まで行こうと思っていたって言っていましたよね。

 

平山

そう思っていたんですけど、決定的に合わないなと思って諦めたんです。

 

池ノ辺

すごく頭のいい方なんですよね。

何が合わなかったんですか?

 

平山

心理学でも、僕がやっていたのは人を治す方なんですね。

臨床心理学っていうのをやっていてメンタル面で問題を抱えているたちをどうやって癒すか、カウンセリングしていくってことをやりたかったんですが、自分には決定的に資質がないって気がついちゃったんです。

 

池ノ辺

そういう仕事に向いているのは、どういう人だと思ったんですか?

 

平山

人の悩み苦しみに寄り添ってあげられる人じゃないですかね?

だけどそれって物凄く献身的な力がいるじゃないですか。

どこかで自分を捨てなきゃいけないし、それは自分にはできないなと思ったんですよ。

自分は他にやりたいことがあったんでしょうね。

 

池ノ辺

そのやりたいことが、映画だったってことですか?

 

平山

いや、それはたまたまです。

エンターテインメントが基本的に好きなんですよ。

だから就職しなきゃいけないという時に、はたと気がついたんです。

大学時代に何に一番時間を割いていたかというと、けっこう映画を観ていたなと思ったんです。

京都にも東京のフィルムセンターみたいなところがあって、古い日本映画のストックを上映しているのを暇があるといつも観に行っていたんです。

そういう記憶もあって、なぜかマスコミと映画会社は受けたんですよ。

それで拾ってくれたのが映画会社だったわけです。

 

池ノ辺

それで松竹に受かったわけですね。

最初はどんな仕事をしたんですか。

 

平山

スタートは映画興行部です。

関西の松竹直営館の劇場に1年ほど勤務していました。

1年経ったら東京の方へ転勤しないかって話がきて、入社した翌年のゴールデンウィークに本社の映画興行部で番組編成をするようになるんです。

それがたぶん、僕のその後の全ての基礎になっていますね。

 

 

 

池ノ辺

番組編成って何をやるんですか?

 

平山

洋画のセレクト、ブッキングです。

だから全ての洋画の配給会社に行って、自分のところの番組をどうやるか決めるんです。

 

池ノ辺

その頃は、どういう洋画がありました?

 

平山

僕が入ってすぐの時は、ピカデリー1の系列は『アポロ13』とかUIPの作品が多かったですね。

ピカデリー2は、ハーヴェイ・ワインスタインらが設立したミラマックスの作品を、松竹富士という松竹系の配給会社がよく扱っていて。

 

池ノ辺

シネコンが出来始めて、映画界も変わり始めた時期ですね。

 

平山

それで1997年にブエナビスタが、これまで東宝東和と松竹富士に預けていた日本の配給を自社で始めることになったんです。

営業も全部やるということで、そのタイミングでブエナビスタに声をかけてもらったんですよ。

 

池ノ辺

こっちで営業やらないかって?

 

平山

ええ、その時に悩んだんですけど、悩むんだったら新しい方をやった方がいいだろうと思っちゃうタイプなので行ったわけです。

結果的には1年しかいなかったんですが。

 

池ノ辺

えっ、どうしてですか?

 

平山

嫌になったとかじゃないですよ(笑)。

なぜだか20世紀フォックスから声がかかっちゃったわけですよ。

というのも、僕がブエナビスタに行った翌年にフォックスも、自社で全国配給する決断をしたわけです。

それで人を探していたんです。

 

池ノ辺

優秀だったってことですよ。

 

平山

いや、年齢の問題もあったと思うんです。

当時はまだ20代だったから声をかけやすかったんだと思いますよ。

今は全然かかりません(笑)。

 

池ノ辺

それはわかりませんよ〜(笑)。

だけど、そういう時期に居合わせたから今があるんでしょうね。

 

平山

フォックスのすごいラインナップは、やっぱり魅力だったわけですよ。

なおかつ宣伝部には古澤(利夫)さんがいたから、古澤さんの仕事が見られるっていうのもありました。

 

池ノ辺

いい作品がいっぱいありましたもんね。

フォックスに入ってから何年ですか?

 

平山

もう20年です。

だからあっという間といえば、あっという間ですけど。

 

池ノ辺直子

予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表/映像ディレクター。

フリー後「池ノ辺事務所」を設立。
10周年を記念して、バカばっかりの職人集団の意味で 株式会社バカ・ザ・バッカに社名変更し、代表取締役社長に。
今年で創立31周年を迎える。

2004年マックスファクタービューティースピリット受賞。 著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 イマジカBS審議委員 ニューシネマワークショップ講師。 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」の運営もしている

これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』 『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』 『マディソン郡の橋』『トップガン」『博士と彼女のセオリー』 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』 『ドリーム』『僕のワンダフル・ライフ』ほか1100本以上。

最新版は、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』、『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』。

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