大ヒットアニメ映画の新春放送というこの目玉に合わせ、テレビ朝日ではまず元旦・2日深夜に新海誠監督による旧作中長編の放送を行った。この同監督の作品もまとめて流すペイチャンネルの特集プログラム的な部分も良かったが、何より感心したのは当日の『君の名は。』の放送枠自体を、CMまで含めて視聴者が楽しめる仕掛け満載にしていたことだ。
バラエティ番組的な仕掛けやらをしたのではない。それをやっていたらおそらく視聴者からは「早く本編を見せろ」とか「タレントが邪魔」などの不満が出ただろう。仕掛けていたのはCM枠だった。 SoftBankはおなじみの白戸家が登場のCMだが、家族が入れ替わるという『君の名は。』ネタの特別編。SQUARE ENIXのソーシャルゲーム『スクールガールストライカーズ』はキャラクターが「あの隕石が落ちて来なければ!」と叫ぶゲームCM。しかも本編放送中の展開で彗星災害が明かされた後のCM枠でこれを入れるとか、タイミングも作品を初見の人になにげにネタバレ配慮をしている。(笑)
さらに多くの視聴者が驚いたのは主人公・三葉の声を演じた上白石萌音が登場する政府広報『ソサエティ5.0』だろう。ドローンによる宅配や無人運転バスの普及など、社会が目指しているちょっと近未来を描いた内閣府による科学技術政策の広報だ。この1分30秒のCMで上白石萌音はアニメ作中の三葉のような女子高生の姿で登場し、作中と似たようなカットもいくつか登場する。ちょっとした『君の名は。』実写版を見たような気になる。(実際、一瞬そう思って驚いた人もいたようだ)
中でも僕や新海ファンにとって最大のサプライズであったのは、
正直、すでに何度も見ていてソフトパッケージも持っている本編よりも、合間のCMの入り方やひねりが面白く、最初から最後まで見入ってしまった。もちろんこれらのCMには後からネットなどで見ることが出来るも
そして、稀であったと同時に、これは前述したテレビにとって「利便性」と「メリット」と「面白さ」はイコールなのか?ということへの1つの指針ではないかとも感じた。