Mar 20, 2023 column

第28回:母に感謝! アジア圏の女優たちにエールを送った感動のアカデミー賞受賞スピーチ

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『エブエブ』主要部門受賞者のスピーチ:母への感謝が触れられた部分抜粋

DANIEL SCHEINERT :  Our fellow nominees — you guys are our heroes.  This is weird.  We want to dedicate this to the mommies.  All the mommies in the world.  To our moms, specifically, my mom and dad, Ken and Becky.

私たちとともにノミネートされた監督のみなさん、あなたたちは私たちのヒーローです。 これはすごいことです。 これをママたちに捧げたい。 世界中のすべてのママに。 私たちのママに、特に、私のママとパパ、ケンとベッキーに。

DANIEL KWAN : We are descendents of something and someone. And I want to acknowledge my context.  My immigrant parents — my father who fell in love with movies because he needed to escape the world and, thus, passed that love of movies onto me. My mother, who is a creative soul, who wanted to be a dancer, actor, and singer, but could not afford the life of that life path and, then, gave it to me.

ここで事柄の前後関係を認識したいと思います。移民である私の両親ーー父は現実逃避するために映画に恋に落ち、その愛を私に伝授してくれました。そして私の母は、ダンサーや俳優、歌手になりたいというクリエイティブなマインドの持ち主でしたが、そのような人生を送る余裕はなく、こうしてその情熱を私に譲ってくれたのです。

MICHELLE YEOH : I have to dedicate this to my mom, all the moms in the world because they are really the superheroes, and without them, none of us will be here tonight.

この喜びを私の母、そして世界中のすべての母に捧げます。なぜなら、あなた方がスーパースターであり、あなたたちが居なければ、今夜、ここにいる私たちは誰一人として存在しないのですから。

〜And, ladies, don’t let anybody ever tell you, you are ever past your prime.  Never give up.

~そして、女性のみなさん、誰にも女性の盛りを過ぎたと言わせてはだめです。決してあきらめないで。

KE HUY QUAN :  Thank you.  My mom is 84 years old.  She is at home watching.  Mom, I just won an Oscar. My journey started on a boat.  I spent year in a refugee camp.  And somehow I ended up here on Hollywood’s biggest stage. They say, “Stories like this only happen in the movies.”  I cannot believe it’s happening to me.  This  this is the American dream.

ありがとうございます。 私の母は84歳です。 家で見ています。 母さん、僕はオスカーを受賞したんだよ。 私の旅は難民キャンプのボートから始まりました。 難民キャンプで1年を過ごしました。 そして、どうにかこうにか、このハリウッドの大舞台に立つことができました。 ”こんな話は映画の中だけだ “と言われるけど  自分の身に起きていることが信じられない。 これこそ、アメリカンドリームだ。

JAMIE LEE CURTIS :  I know it looks like I’m standing up here by myself, but I am not.  I am hundreds of people. 

私がここに一人で立っているように見えると思いますが、そうではありません。 私は何百人もの人たちを代表しています。 

〜To all of the people who have supported the genre movies that I’ve made for all these years, the thousands and hundreds and thousands of people, we just won an Oscar.  Together. 

〜私が作ってきたジャンル映画をずっと応援してくれた人たち、何千、何百、何千の人たち、私たちはオスカーを獲得したのです。 一緒にね。

〜And my mother and my father were both nominated for Oscars in different categories, I just won an Oscar.

~そして、母と父はそれぞれ別の部門でアカデミー賞にノミネートされましたが、私はアカデミー賞を受賞しました。 (父ー俳優のトニー・カーティス、母ー俳優のジャネット・リー)

歌曲賞受賞「ナートゥ・ナートゥ (『RRR』) 」M・M・キーラヴァーニとチャンドラボースのコメント

M. M. KEERAVAANI :  Thank, Academy.  I grew up listening to the Carpenters.  And now here I am with the Oscars.  [Sings]:”There was only one wish on my mind.  So it was Rajamouli and my families.  RRR  has to win pride of every Indian, and I must put me on the top of the world.”  Thank you Kannadiga and Radiance Films for making this possible.  Love you all.  Thank you.

ありがとうございます、アカデミー。 私はカーペンターズを聴いて育ちました。 そして今、私はオスカーを手にしています。(カーペンターの歌「トップ・オブ・ザ・ワールド」を替え歌にして、「♪RRRはすべてのインド人の誇りを勝ち取らなければならない!そして私は世界の頂点に立たなければならない♪」)KannadigaとRadiance Filmsの皆様、ありがとうございました。 みなさんを愛しています。 ありがとうございました。

CHANDRABOSE : Namaste.

ナマステ/ありがとう

文 / 宮国訪香子

作品情報
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

破産寸前のコインランドリーを経営するエヴリンは、気が弱く優柔不断な夫、いつまでたっても反抗期の娘、ボケているのに頑固な父を抱え、更に税金申告の締め切りが迫りテンパりモード、まさに人生どん底状態。そんな彼女が国税庁の監査官に厳しい追及を受けている最中に、突然、夫のウェイモンドに連れていかれたのはなんと並行世界(マルチバース)‥‥。めくるめく三千世界に迷い込んだ彼女の前に現れたのは、「僕は君の夫じゃない。別の宇宙(ユニバース)から来た“僕”だ」と言う、見違えるようにたくましい夫。さらに「マルチバース全体に巨大な悪が。君だけがそれを止められるんだ。」と告げられたエヴリンは救世主へと覚醒?! カンフーマスターばりの身体能力を手に入れた彼女は全人類の命運を掛けた壮大な闘いに挑んでいく。

監督:ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート

出演:ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティス

配給:ギャガ

© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

公開中

公式サイト gaga.ne.jp/eeaao/

映画『RRR』

舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム。大義のため英国政府の警察となるラーマ。熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。彼らが選ぶのは、友情か?使命か?

監督・脚本:S.S.ラージャマウリ

原案:V.ヴィジャエーンドラ・プラサード

出演:NTR Jr. 、ラーム・チャラン

配給:ツイン

©2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

公開中

公式サイト rrr-movie.jp

宮国訪香子

L.A.在住映画ライター・プロデューサー
TVドキュメンタリー番組制作助手を経て渡米。 ニューヨーク大学大学院シネマ・スタディーズ修士課程卒業後、ロサンゼルスで映画エンタメTV番組制作、米独立系映画製作のコーディネーター、プロデューサー、日米宣伝チームのアドバイザー、現在は北米最大規模のアカデミー賞前哨戦、クリティクス・チョイス・アワードの米放送映画批評家協会会員。趣味は俳句とワインと山登り。