Mar 13, 2023 column

米アカデミー賞 最優秀賞受賞作品 予告映像まとめ [95th Oscar 2023]

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日本時間3月13日、米アカデミー賞授賞式が開催された。この記事では、先に発表されたノミネート作品の中から、各部門の最優秀賞に輝いた選りすぐりの作品をまとめて紹介。昨年の2022年に公開され、すでに配信で鑑賞できる映画から、これから劇場公開が控えている作品まで、目が離せないラインアップとなっている。

参考:米アカデミー賞作品賞ノミネート映画まとめ


米アカデミー賞 主要部門 最優秀賞受賞作品

最優秀作品賞 BEST PICTURE winner

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
人生どん底人妻が並行世界でカンフーマスターとなり世界を救う!

2022年3月25日 米国初公開  全世界興行収入:104,110,429ドル (2023年1月27日時点)

「マルチバース」と「カンフー」が融合した、かつてないほどカオスな世界観で繰り広げられる壮大な物語、異色作でありながらまさかの超感動作として「本年度アカデミー賞大本命!」と謳われる、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(略称:エブエブ)。

この度、第95回アカデミー賞にて、作品賞ほか、監督賞(ダニエルズ)、脚本賞(ダニエルズ)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス、ステファニー・スー)、編集賞、衣装デザイン賞、作曲賞、主題歌賞の計10部門11ノミネートを果たした。

第95回アカデミー賞授賞式 字幕版 3月13日(月)夜10:00よりWOWOWで放送・配信 ©︎Getty Images Kevin Winter 

本作の監督を務めたのは『スイス・アーミー・マン』で凄まじいセンスと才能を発揮したダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン(通称:ダニエルズ)。

作品賞、監督賞、脚本賞のトリプル受賞の快挙を果たしたダニエルズは、「監督には沢山の人々の協力が必要です。すべてをかけてこの作品に尽くしてくれたキャスト、映画のすばらしさを教えてくれた移民だった両親、兄弟、友人、僕たちの仕事をサポートしてくれる全ての人達、一人一人の才能が天才的な存在になりうるんです。アカデミーの皆さん、我々にとって素晴らしい賞をありがとうございます!」と興奮で息を切らしながら喜びを爆発させた。

最優秀主演女優賞 ACTRESS IN A LEADING ROLE winner

アジア人初の主演賞 ミシェル・ヨー

第95回アカデミー賞授賞式 字幕版 3月13日(月)夜10:00よりWOWOWで放送・配信 ©︎Getty Images Kevin Winter 

主演女優賞に初ノミネート初受賞を果たしたレジェンド女優・ミシェル・ヨー。これがアジア系の俳優として初の主演賞受賞となる。また助演男優賞のキー・ホイ・クァンとアジア人2名の俳優賞受賞はアカデミー史上初だそうだ。

ミシェルは受賞スピーチにて「これを見ているすべての子供たちへ、このアカデミー像は希望の証です。夢は実現するということの証です。この映画を私の母、そして世界中のお母さんたちに捧げます。あなたたちはスーパーヒーローです!」と力強いメッセージと受賞の喜びを語った。

最優秀助演男優賞 ACTOR IN A SUPPORTING ROLE winner

アジア系俳優は38年ぶり キー・ホイ・クァン

第95回アカデミー賞授賞式 字幕版 3月13日(月)夜10:00よりWOWOWで放送・配信 ©︎Getty Images Kevin Winter 

最優秀助演男優賞を受賞したのは『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』や『グーニーズ』で一世を風靡したキー・ホイ・クァン。同賞は1985年、カンボジア人のハイン・S・ニョール以来38年ぶりのアジア系の俳優としての受賞となる。

キーは「僕の旅は難民キャンプから出航するボートから始まりました、そして今僕はハリウッドの最大の舞台にたどり着いた。映画のような話ですが、これが僕の人生なんです。これこそがアメリカンドリームなんです。夢は信じなければ実現できない。皆さんも夢をあきらめないで!!」と涙ぐみながら感謝を述べた。

最優秀助演女優賞 ACTRESS IN A SUPPORTING ROLE winner

64歳にして初受賞! ジェイミー・リー・カーティス

第95回アカデミー賞授賞式 字幕版 3月13日(月)夜10:00よりWOWOWで放送・配信 ©︎Getty Images Kevin Winter 

俳優賞3部門の受賞を果たした本作。御年64歳の大ベテラン、ジェイミー・リー・カーティスは最優秀助演女優賞を初受賞。俳優一家の彼女、これまでアカデミー賞にノミネート経験はなかったが、今作で両親も成し得なかったオスカーに輝いた。

受賞スピーチで彼女は「みんな黙って45秒しかないの。私はいい子だからちゃんと時間を守るのよ」と余裕のジョークを飛ばしつつも最後には「この作品に関わっているダニエルズ、ジョナサン、クルー、ミシェル、キー、スタッフ、すばらしいアーティストの方へ、ついにオスカーを獲りました。ドリームチームです!」とオスカー像の感触を確かめながら、天を仰ぎ喜びをかみしめた。

授賞式では誰かがオスカーを取る度に全員で喜びを分かち合う姿が見られ、チームの結束力を感じることができた。それは公開されたNG集でも確認できる。

ミシェルが謎のダンスを踊り狂ったり、パンツ一枚の監督のお尻にムチを振り下ろしたり、真面目なシーンでゲップをかます往年の名俳優、ジェームズ・ホンに「最悪よ!! 笑」と叫んだかと思えば、自身も衝撃の変顔を披露するなど、これまでのイメージを覆す最高にカオスなキャラを楽しむ彼女の様子が映し出されている。

あらすじ
破産寸前のコインランドリーを経営するエヴリン(ミシェル・ヨー)は、気が弱く優柔不断な夫(キー・ホイ・クァン)、いつまでたっても反抗期の娘(ステファニー・スー)、ボケているのに頑固な父を抱え、更に税金申告の締め切りが迫りテンパりモード、まさに人生どん底状態。そんな彼女が国税庁の監査官に厳しい追及を受けている最中に、突然、夫のウェイモンドに連れていかれたのはなんと並行世界(マルチバース)だった‥‥。

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公開中

監督:ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート/出演:ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティス 
配給:ギャガ © 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト gaga.ne.jp/eeaao