Jun 30, 2026 column

Netflixシリーズ「ガス人間」 小栗旬×蒼井優が挑む、東宝特撮リブートで蘇る“変身人間シリーズ”の現在地

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1960年公開の東宝特撮映画『ガス人間第一号』を、現代日本を舞台に全8話のドラマシリーズとしてリブートしたNetflixシリーズ「ガス人間」。小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、竹野内豊に加え、俳優デビューとなるUTAが“ガス人間”を演じる本作は、ヨン・サンホが脚本、片山慎三が監督という日韓クリエイターのタッグでも注目を集めている。本レビューコラムでは、社会派サスペンス、アクション、ラブストーリー、VFX、そして画面の隅々にまで仕掛けられたユーモアに着目しながら、『ガス人間』がなぜ“新時代のエンタメ”と呼ぶべき作品なのかを読み解く。

遡ること約2年前――2024年8月に制作発表されたNetflixシリーズ「ガス人間」。『ゴジラ』の生みの親である本多猪四郎監督による1960年公開の特撮映画『ガス人間第一号』を、現代日本を舞台にしたドラマシリーズへとリブートした本作は、情報解禁直後から7月2日の配信開始を目前に控えた現在に至るまで注目の的となり続けている。脚本を手掛けるのは『新感染 ファイナル・エクスプレス』やNetflixシリーズ「地獄が呼んでいる」のヨン・サンホ。そして『さがす』や「ガンニバル」の片山慎三監督が全8話を丸ごと一人で監督した。

日韓の辣腕クリエイターによる夢のコラボレーションという意味でも、東宝とNetflixの初タッグという側面でも、さらにはIPビジネスの重要性がますます叫ばれる現代に「変身人間シリーズ (東宝が1950~60年代に発表した『透明人間』『美女と液体人間』『電送人間』『ガス人間第一号』(1960) 等のジャンルの総称)」を蘇らせるという企画力においても、象徴的な一作となった。さらには、小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、竹野内豊といった豪華キャストに加えて本作で俳優デビューを飾る新星・UTAがタイトルロールのガス人間を堂々と演じきっており、あらゆる面において話題に事欠かない。

その「ガス人間」のあらすじはこうだ。報道番組の生放送の最中に、出演者が突如として身体が膨張して浮き上がり、そのまま爆死する前代未聞の大事件が発生。捜査に駆り出された刑事・賢治(小栗旬)は、事件の当事者であり元恋人の報道記者・京子 (蒼井優) と再会。時を同じくして、事件の犯人・ガス人間を名乗る謎の男 (UTA) が各メディアに犯行声明を出し、「ホワイトセンターに関わる人物を一人ずつ殺害する」と予告。賢治と京子は、それぞれの立場から事件の真相を追っていく。ホワイトセンターとは何か、ガス人間の目的はどこにあるのか、そして凶行を食い止められるのか――やがて2人は、日本全土を揺るがす衝撃的な事実に辿り着いてゆく。各エピソードが約40~60分強、全8話と、地上波テレビドラマのワンクールぶんほどのボリュームで、サスペンスフルかつ予測不能な物語が展開していく。余談だが筆者は本作のオフィシャルライターを務めており、初めて物語の全容を知ったのは脚本だった。テキストだけでは想像しきれない部分も多かったが、ぐいぐいと引き込まれて一気に読んでしまったことをよく憶えている。