『四月の永い夢』『やがて海へと届く』の中川龍太郎監督最新作、主演の福地桃子と河瀨直美が昨年の第38回東京国際映画祭メインコンペティション部門にて最優秀女優賞をW受賞した、映画『恒星の向こう側』。このたび本作の予告映像が公開された。
新作を発表するたびに国内外から注目を集める中川龍太郎監督が、『走れ、絶望に追いつかれない速さで』『四月の永い夢』に続いて、喪失と再生をテーマに撮り上げた3部作の最終章となる本作。母の余命を知った娘は、残された日々を共に過ごそうとするものの、長年にわたり積み重なった親子の軋轢と直面することになる。母との溝が埋まらぬまま、夫との関係にも不安を抱える中、その体内では新たな命が育っていて‥‥。

主人公の未知を演じたのは『あの娘は知らない』の福地桃子。母の顔色をうかがいながら大人になり、自分が母親になることにも自信を持てない女性が、一人の人間としての母を知ることで自らの人生を肯定していく姿を繊細かつ力強く体現した。その母親である可那子には、中川監督たっての希望によって、『あん』『たしかにあった幻』などの監督として知られる河瀨直美の出演が実現。激しい存在感を放ちながら死へと向かっていく生き様を魂で刻みつけ、2025年の第38回東京国際映画祭では、福地と河瀨がそろって最優秀女優賞を受賞する快挙を成し遂げた。

未知の夫で過去にすがる登志蔵には、『そこにきみはいて』でも福地と婚約者同士を演じ、河瀨監督の『たしかにあった幻』にも出演した寛一郎。また、可那子の過去の秘密の鍵を握る万理を『四月の永い夢』の朝倉あき、若き日の可那子を『万事快調〈オール・グリーンズ〉』の南沙良、未知が働く児童施設の職員役に『ネムルバカ』の久保史緒里と『Winny』の三浦貴大、現在の万理には中川龍太郎監督の最新短編作『世界は美しいと誰かが言った』にも久保、三浦と共に出演した中尾幸世が扮し、実力派キャストが顔を揃えている。
劇中では1980年代から2025年までいくつもの時代を、そして奈良と北海道・野付半島の地を行き来しながら、現在と過去の対話の中で人と人のつながりが語られ、中川監督ならではの映像美が言葉にならない感情を映し出す。さらにその一部を創作過程の演劇作品として描くことにより、登場人物の個人的な体験を普遍的なドラマへと昇華させた。劇伴と主題歌「まばゆく」(歌:Meadow)を手がけたのは、劇場アニメ『ルックバック』、映画『この夏の星を見る』、現在放送中のドラマ「Tシャツが乾くまで」などの音楽を担当するピアニスト・作曲家のharuka nakamuraで、その祈りにも似た神聖な音色と歌声が深い余韻を残す。
このたび公開された予告映像は、母を嫌い続けた娘が、余命僅かとなった母の人生をたどることで自分自身と向き合っていく旅を、中川龍太郎監督らしい静謐で詩的な映像で描き出す。「私たちって親子だよね?」と問いかける娘に対して、「親子でもな、他人やで」と言い放つ母。一筋縄ではいかない親子と二人を取り巻く人々を、主題歌「まばゆく」が優しく包み込む。そして予告映像の最後のカットでは、母と娘と思われる二人が、やさしい夕暮れの光の中でおんぶした後ろ姿が映し出されている。
映画『恒星の向こう側』は、2026年10月30日(金)より全国公開。

母の余命を知った娘は、残された日々を共に過ごそうとするものの、長年にわたり積み重なった親子の軋轢と直面することになる。母との溝が埋まらぬまま、夫との関係にも不安を抱える中、その体内では新たな命が育っていて‥‥。
監督・脚本・編集:中川龍太郎
出演:福地桃子、河瀨直美、寛一郎、朝倉あき、南沙良、三浦貴大、久保史緒里、中尾幸世
配給:NAKACHIKA
©2025映画「恒星の向こう側」製作委員会
2026年10月30日(金) 新宿武蔵野館、TOHOシネマズシャンテほか全国公開