天下の大将軍になる夢を描く主人公の少年・信と、中華統一を目指す若き王・嬴政を壮大なスケールで描く漫画「キングダム」。2019年から2024年にかけ、実写映画として4作品を公開し、シリーズ累計動員1734万人、シリーズ累計興行収入245億を突破。数々の映画賞とその年の邦画実写映画No.1を獲得するなど、日本映画界に燦然と輝くエンターテインメント超大作となった。
7月17日公開の実写シリーズ5作目である映画『キングダム 魂の決戦』は、コミックス24巻後半から始まる「合従軍編」にあたり、アニメでは第3シリーズとなる秦国の存続をかけた総力戦「函谷関の戦い」を描いたものである。
軍事強国となった秦は勢力を拡大し、領土が5カ国と国境を接することとなる。これを脅威と感じた趙の李牧(りぼく/小栗旬)は、秦との同盟を反故にし、楚・趙・魏・韓・燕・斉の六国が手を結んだ「合従軍」を結成。大軍勢を率いて秦への進軍を企てる。秦軍20万に対して、合従軍54万の軍勢。自然の理を生かした国の門・函谷関を破られるとなると、王都・咸陽(かんよう)陥落、国の滅亡が決定的となる。秦にとっては絶体絶命のピンチとなる状況を描く映画『キングダム 魂の決戦』。新たに登場したキャラクターに加え、壮大なスケールで描かれる合戦と本作の見どころを紹介する。

国の存亡がかかった戦い
王騎将軍を失った「馬陽の戦い」以後、秦と趙は同盟を結び、互いに侵略を行わないことを約束する。しかし、趙の宰相・李牧は、極秘裏に秦討伐へ動いていた。そんな中、主人公・信(しん/山﨑賢人)と河了貂(かりょうてん/橋本環奈)は、趙と楚が密談を交わしている場面に遭遇する。

その後、李牧によって結成された合従軍が、秦国の王都・咸陽を目指し進軍を開始する。秦国の滅亡が現実味を帯びるなか、軍総司令・昌平君(しょうへいくん/玉木宏)が下したのは、秦国が持つ全戦力を一箇所に集めるという、文字通り後がない「全軍招集」の決断だった。李牧が結成した合従軍54万という、秦軍の倍以上となる圧倒的な大軍勢。これに対抗すべく、昌平君は知略の限りを尽くし、これまで一堂に会することのなかった秦国屈指の大将軍たちを呼び寄せる。

前作まで秦を支えてきた麃公(ひょうこう/豊川悦司)や蒙武(もうぶ/平山祐介)、騰(とう/要潤)に加え、野心家で知られる王翦(おうせん/谷田歩)や、残虐な戦いぶりで異彩を放つ桓騎(かんき/坂口憲二)、最古参の武将である張唐(ちょうとう/橋本さとし)、蒙驁(もうごう/坂東彌十郎)といった、一筋縄ではいかない猛将たちが次々と集結する光景は、まさに秦の「最高勢力」がそろい踏みした瞬間だ。


また信のライバル的存在で若き千人将である、蒙驁の孫にして蒙武の子・蒙恬(もうてん/志尊淳)に、王翦の子・王賁(おうほん/神尾楓珠)が、本作から登場し、秦軍に大きな力をもたらす。秦国最大のピンチを最高勢力をもって、難攻不落の要所「函谷関」で合従軍を迎え撃つこととなる。
中華六国が手を結んだ合従軍
膨大な兵力を束ねる合従軍の総大将に君臨するのが、春申君(しゅんしんくん)。20年にわたり大国・楚を統べ、沈着冷静かつ確かな統率力を備えた宰相・春申君を斎藤工が演じる。

平地に陣取る楚軍と趙軍。楚軍の総大将には、”楚の巨人”の異名を持つ汗明(かんめい)。圧巻の体躯と規格外の怪力で戦場を蹂躙する大将軍を勝矢が演じる。楚の第二軍を率いる、戦の天才と呼ばれる女将軍・媧燐(かりん)には三吉彩花が、圧倒的武力で敵陣を突破し最前線で猛威を振るう将軍・臨武君(りんぶくん)を一ノ瀬ワタルが怪演。
さらに、最年少の弓使い・白麗(はくれい/三山凌輝)、一騎打ちの強さを誇り将来を期待される項翼(こうよく/結木滉星)といった楚の千人将も参戦し、蒙恬、王賁ら秦国の若き将と戦場で激闘を繰り広げる。

趙軍の総大将を務めるのは、合従軍を興した張本人であり秦国の宿敵・李牧。戦地にて指揮を執るのは、李牧からの信頼が厚く、直感と鋭い観察眼を持つ副将・慶舎(けいしゃ/中村蒼)、秦国に異常なまでの復讐心を持つ、残虐な特攻の将・万極(まんごく/山田裕貴)が控えている。
函谷関の正面を攻めるのは、攻城兵器の開発にも長けた知略派であり、魏軍の総大将を務める呉鳳明(ごほうめい/田中圭)。数々の奇毒や猛毒兵器を操る韓軍の総大将に成恢(せいかい/渋谷謙人)。山岳地帯にある北の砦からは、北の山間民族を統べる燕軍の総大将には、オルド(宍戸開)。地形に応じた高い戦闘能力を持つ武将として、戦場に新たな脅威をもたらす。
開戦! 函谷館の戦い
本作『キングダム 魂の決戦』では、壮大なスケールで描かれる「函谷関の戦い」の戦闘シーンが見どころのひとつだ。なかでも、「秦国・騰VS楚軍・臨武君」、「秦軍・信VS趙軍・万極」の一騎打ちは必見である。
大将軍・王騎の副将を長らく務めてきた騰の圧倒的な実力、王騎軍を引き継いだ覚悟とそのプライドを臨武君戦で遺憾なく発揮する。また前作より、残虐非道の振る舞いをしてきた趙軍の白き長髪の将・万極が、なぜこれほどまでに秦国を憎むのか、戦争の恐ろしさとはなんなのか、狂気をまとった鬼気迫る斬り合いのなかで、信はどんな答えに辿り着くのか……。これら一騎打ちシーンにおける圧巻の演技はぜひスクリーンで観ていただきたい。
武人たちが戦場で闘っている中、王都・咸陽では、文官たちも姿を見せ、武と知の両面から国を支える秦軍の全戦力が大集結し、知略を巡らせていた。交渉人・蔡沢(さいたく/笹野高史)を通じ、合従軍の同盟を内側から崩壊させる手立てを打つ最中、国の危機に乗じて、クーデターを企てる動きが……。
政治的策略に巻き込まれる嬴政(えいせい/吉沢亮)の子を身籠った宮女・向(こう/蒔田彩珠)、向の親友である宮女・陽(よう/山下美月)。内外から迫り来る危機に秦国の命運を託された、それぞれの活躍に期待が寄せられる本作『キングダム 魂の決戦』。ぜひ劇場に足を運んでいただきたい。
文 / otcoto編集部