Dec 21, 2019 interview

「いつもあまり自信がないんです」―神木隆之介、芸歴24年でも失わない謙虚な姿勢

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唯一のアドリブ、共演者との仲良し裏話

――中村倫也さんとはかなり一緒に取材をされていますが、その過程で現場ではわからなかった新しい発見などありましたか?

倫くんはすごくミステリアスな人なんですけど、意外と何も考えてない人だったんだなと思いました(笑)。

――それはどういう点で思ったのでしょう?

映画『3月のライオン』(17年)で共演した時もアドリブが毎回違っていたし、多くを語らないイメージがあって、もっと知りたいけどあと一歩踏み込めないというか、ちょっとはぐらかされたりとか、そういうところが倫くんの未知数の魅力だなと思っていて。でも一緒に過ごすうちにだんだん、意外と頭の中で思いついたことをパッと言ってるだけなんだなってわかってきたから安心できたんです。それで、僕に向かって「ほら、ツッコめよ」みたいな目で見てくる(笑)。それで満足そうな顔をしてくれるから、僕はすごく楽しいし嬉しい。一緒の取材はいつも楽しいですね。

――じゃあ『3月のライオン』の時よりも打ち解けている感じがする?

そうですね。『~ライオン』の時より理解できているはずです(笑)。そういえば、今回、芝居の中で僕ら二人で話し合ってアドリブをしたシーンがあったんですけど、二人の共同作業みたいな感じがしてすごく嬉しかったです。この映画では監督からのアドリブの指示が多かった中、唯一僕らが考えたアドリブでした。

――具体的にはどのシーンですか?

最初のほうですが、合宿先で異常事態が発生している中、葉村が明智さんに腕を引っ張られて「これから起こる事件の犯人がわかった」ということを言われるシーンです。その時、僕は手にした長い棒が引っかかって身動きが取れなくなるんですけど、明智に「縦にするんだよ!」とツッコまれるんです。

――初共演の浜辺美波さんはいかがでしたか?

本当にまだ10代なのかなっていうくらい博学でしっかりしてらして。みなさんもイメージされていると思いますが、上品なお嬢様の雰囲気があるし、頭も良さそうじゃないですか。だから僕みたいなテンションでいくような人間は、「あ、どうも…」みたいに避けられてしまうんじゃないかなって、会う前は心配していました(笑)。でも会ってみたら物腰が柔らかくて、ちゃんと年上として僕を尊敬してくださいますし、そして天然っていうことが発覚して、すごくかわいげがある女の子でした。話してみると年相応の価値観や感性をちゃんと持っている子だということもわかって安心しました。

――撮影中は笑いが絶えない現場だったとお聞きしていますけど、とくに印象的なエピソードは?

夜深い時間まで撮影していることも多かったんですけど、ふと横を見ると、セットにあるソファでみーちゃん(浜辺)が寝ているんです。「いま、寝てましたよね!?」って言うと、「いや、寝てないですよ、寝てないです!」「ホントに。目つぶってただけです」って、どうしても認めてくれないんです。そういうちょっと頑固なところがかわいらしいなと思って見ていました(笑)。

――ほかにも個性豊かな面々が揃っていますが、共演者の方とはすぐに打ち解けられましたか?

半数くらいは共演経験があった方たちでしたし、友達の友達だったりして馴染むのは早かったです。池田鉄洋さんは初めて共演させていただいたんですけど、僕は本郷奏多が出ていたドラマ『ヒミツの花園』(07年)を観ていたので、そのイケテツさんのイメージから、変わっている人なのかな~って思っていたんですけど、実際はみんなの優しいお父さんでした。基本的にみなさんと仲良くさせていただいていましたね。あとは撮影中、古川雄輝くんとデートしていました(笑)。

――デート。

ドライブデートしたり(笑)、イケテツさんやみーちゃんともいろんなところへ行ったり。僕、行く場所にはこだわらず、一緒に行く人と楽しめたらいいなと思っているのでとても楽しかったです。