Feb 17, 2019 interview

青木崇高、“ペリーのような存在”の『サムライマラソン』監督による驚きの演出を明かす

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地方ロケで感じた特別感、共演者と共有した“未知の領域”

 

──先ほど、豪華キャストというお話が出ましたが、現場ではどのように過ごされていたんでしょうか?

山形に数週間滞在していたんですけど、やっぱり東京で撮影して終わったらそれぞれの家に帰ってという形ではなく、地方でのロケだと共に生活しているという感覚になります。一緒にご飯を食べに行こうということにも繋がりますし、作品に向かうエネルギーもしっかりしてきますし、何か特別な感じがして良いんですよね。みんなで作品を共有する想いが強くなる。娯楽が多いわけでもなかったので、撮休や空き時間があると、近所の神社に参拝に行こうかとか、自転車を借りて観光したりとか、わりと撮影以外のところで時間を作れることがあって、キャストとコミュニケーションが取れていました。

 

 

──特に一緒にいた方はいるんですか?

深水元基さんとか、森山未來さんですかね。佐藤健さんは出演シーンが多かったのであまり一緒に行けなかったんですけど。最初の方はみんなタイミングが合って、結構大勢でご飯に行ったりしていました。

──そういう時は青木さんが声を掛けたり?

結構、連絡回してましたね(笑)。

──演技について語ったりしましたか?

あまりしてなかったです。したところでどうなるかわからなかったのもあるし。実際、今のOKが出たけどどんな感じ? ってなったり、さっきの動きと繋がってないかもしれないけど大丈夫かな? ってキャスト同士で顔を見合わせたり(笑)。でも監督がOKって言うからには大丈夫なんだろうって、みんなしてちょっと未知の領域に踏み込んでいる感じを共有できていたのは面白かったです。

 

座長・佐藤健の印象、竹中直人から受け取ったメッセージ

 

──佐藤健さんとは『るろうに剣心』(12・14年)などで何度か共演されていますが、本作で改めて気づいた俳優としての魅力はありましたか?

スケジュール的にもそんなに余裕がない中、座長というか主役としてブレてはいかんというマインドを持っていたんじゃないかと思います。スタッフサイドも衣装合わせからいろいろ大変だったと思いますが、彼が落ち着いてやることをやってくれていたから、周りもしっかりついていけていました。

 

 

──竹中直人さん(老侍・栗田又衛門役)はいかがでしたか? かなり独特の存在感を放っていましたね(笑)。

竹中さん、遊びすぎですよね(笑)。あまりにのびのびと演じられてて、編集も大変だったんじゃないかと思いました。でもともすれば沈みゆくようなこの映画のテーマの中で、こういうキャラクターは映像的にもストーリー的にも豊かにしてくださっていたと思います。我々の世代にも、もっとやってみればいいんだよという前向きなメッセージとして受け止めて、いろいろ参考にさせていただきました。