一人じゃない。一緒に創り、一緒に観る。それが映画の醍醐味
池ノ辺 それでは最後の質問です。監督にとって、映画とは何ですか。
ウォーカー 深い質問ですね。僕にとって映画というのは、多くの人たちによるコラボレーションの体験だと思います。いろいろな芸術の形がありますけど、その中でも映画というのは最もコラボレーションが必要とされるものだと思うんです。小説とか漫画とか絵画というのは、やろうと思えば一人ででもできますよね。でも映画は、一人じゃできない。たくさんの人が集まって試行錯誤して、その結果うまくいけばユニークで素晴らしい作品が出来上がる。映画館で映画を観るということも、ある意味コラボレーティブな体験です。みんなで一緒に一つの映画を観るというのは本当に特別な体験で、とりわけコメディやホラーでは一緒に笑い、一緒に怖がる、そんな何ものにも代え難い体験を分かち合えるんです。みんなの力を結集してこの芸術を創り上げる、そしてそれを共有する。それが映画の醍醐味だと思います。
コックス 一人の観客として思うのは、映画というのは現実世界からの素晴らしい “逃避” だということ。だからこそ僕は映画が大好きです。映画を観ることで、誰かが創り出した全く別の世界、自分では思いつきもしなかった世界に入ることができて、束の間、現実の世界のすべてを忘れて没頭することができる。それが大きな魅力です。もちろんアニメーションも大好きですけど、他のあらゆるジャンルの映画を愛しています。世の中にこれほどさまざまな映画が存在して、それを観ることができるというのは最高ですよね。まさしく「映画よ永遠なれ!」です。

インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
監督
英ブリストルのアードマンを拠点に活動する脚本家、監督、アニメーター。マンチェスターの Hot Animationでキャリアをスタートさせ、『ボブとはたらくブーブーズ』のアニメーション制作や、「ピングー」の脚本・監督・アニメーションを手がけた。その後“クレイアニメの聖地”ブリストルに拠点を移し、『ザ・パイレーツ!バンド・オブ・ミスフィッツ』(2012)や『チキンラン:ナゲット大作戦』(2023)などアードマンの数々の長編作品でアニメーター、監督、開発を歴任。近年では、アードマン初の「スター・ウォーズ」作品『I Am YourMother』(2023)のアニメーション監督に加え、「ひつじのショーン」のTVシリーズや、クリスマス・スペシャル『ひつじのショーン~クリスマスの冒険~』(2021)の監督を務めている。
監督
ブリストルを拠点に活躍する脚本家、監督、ストーリーアーティスト。2005年にアニメーション業界に入り、CM、TVシリーズ、長編映画など多岐にわたり活躍。『Astronauts(原題)』、『John and Karen(原題)』、『Operator(原題)』など数々の受賞歴を持つ短編映画の監督として知られる。アードマン作品では『Lloyd of the Flies(原題)』シリーズ(2022)の企画・開発を手がけ、脚本とシリーズディレクターも担当。そのほかに『モッシーボトムの大騒動』(2020)のエピソード執筆・監督、『ひつじのショーン~クリスマスの冒険~』(2021)や『チキンラン:ナゲット大作戦』(2023)の絵コンテ制作を手掛けた。『ひつじのショーン』シーズン7 (2025)でも脚本およびシナリオディレクターを務めている。

ショーンたちが暮らすモッシーボトム牧場を舞台に、牧場主がショーンたちの大切なかぼちゃ畑をめちゃくちゃにしてしまったことをきっかけに、思いもよらない事態が次々と起こっていき‥‥。ショーンがマッドサイエンティストに変身して問題を解決しようとするが、さらに事態は制御不能の大騒動に。牧場主が行方不明になり、おそろしい怪物まで現れて‥‥。
監督:スティーブ・コックス、マシュー・ウォーカー
日本版特別声優:中村倫也、ガンバレルーヤ
配給︓松⽵
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公開中
公式サイト shaun-kabocha