俳優・横浜流星の覚悟
池ノ辺 流星さんの役づくりもすごかったですね。たまたまテレビ番組に出てるのを見たら「誰かご飯食べさせてあげて!」と言いたくなるくらい痩せていて。
藤井 大河ドラマ「べらぼう」の合間に『汝、星のごとく』の夏編を撮影して、「べらぼう」の撮影が終わってから冬編の撮影がスタートしてます。だから高校生のパートはNHKと島を行き来しながらの撮影だったんです。それであの役をやるって、本人の相当な覚悟があってのことだと思いました。

池ノ辺 切り替えが大変だったでしょうね。
藤井 そうなんですよ。でもそういうところを楽しんでやってた流星は可愛いなとも思いました(笑)。
池ノ辺 その流れだと、「べらぼう」の撮影が終わってからどんどん体重を削っていったんですね。
藤井 そうですね。削っていくのもスケジュールの余白を見ながら、ちゃんとトレーナーと相談しながらやっていたみたいです。流星はきっとこの原作を読んだ時から、「自分がこの役をこう生きたい」と思っていたんだ、という彼の責任感が伝わってきて、お前のやりたいことをやりたいようにやれと思って何も止めませんでした。
池ノ辺 そこは監督との信頼関係があってこそですね。他の誰でもない、ずっと一緒にやってきた監督とだからできる。
藤井 僕らは映画に選ばれない時代が長かったので、まずは映画に選ばれたい。そして選ばれたからには映画に全力で奉仕したい。そういう彼の姿は、スクリーンに残さないと、フィルムにちゃんと残さないと、という責任感をすごく感じていました。
池ノ辺 俳優の鑑のような人ですね。そしてお母さん2人がまた素晴らしかった。監督はどういう演出をされたんですか。
藤井 木村佳乃さんも尾野真千子さんも大ベテランですし、お二人とは何度かお仕事させてもらっているので、思いを伝えるとすぐ受け止めてくださる。その受け止め方が早いんです。僕が自分の思いを最初に伝えたら、あとは自由にあの役をやってくださった。そこはすごいと思いました。
池ノ辺 あの2人の演技や存在がなければ、最後の納得感とか感動はここまでにはならなかったかもしれないと思わされました。
藤井 本当に俳優の皆さんに助けられながらの撮影でした。





