Oct 09, 2026 interview

藤井道人 監督が語る 横浜流星の覚悟と広瀬すずの才能、2人だからこそ生まれた愛の物語 映画『汝、星のごとく』 

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まるで太陽のような、広瀬すずの存在感

池ノ辺 この作品でも素晴らしい俳優さんたちがたくさん登場しています。まず広瀬すずさん、すごくよかったですね。

藤井 素晴らしかった。あんまり自分でハードルを上げるのもどうかと思いますが、すずさんのベストアクトが撮れたと僕は思っています。何よりもすずさんの人となりが素晴らしくて、彼女が現場・映画チームにもたらす力というのを改めて実感しました。この作品は、ある意味、女性の自立、女性の選択の物語であると思うんですけど、「男性だから」「女性だから」というよりは「人として」というように、「異性」の壁を取っ払えたのは、すずさんのおかげだなと思います。

池ノ辺 普段のすずさんは、今回の役とはかなり違う感じですか?

藤井 いや、すずさんはもうあのままです。僕はこの作品をやる前にはすずさんに会ったことがなかったんですが、本当に太陽のような人でした。最初はすごい引っ込み思案というか、ちょっと人見知りっぽい彼女が、どんどんこの役を憑依させて躍動していくんです。不思議な方だなと思いましたね。

池ノ辺 すずさんの起用は、どなたが決めたんですか。

藤井 「我々」ですね。

池ノ辺 流星さんが一緒にやりたいとかそういうことじゃなくて、みんなが「これはすずさんしかいないね」と。

藤井 そうです。『流浪の月』(2022)だったり、CMで流星とご一緒されていたりということはあったんですが、東宝チームも流星も自分も、やっぱりこの2人以外思いつかないかな、というのが一番大きかったと思います。

池ノ辺 確かに、演技というより、あの2人の一緒にやっていく雰囲気自体がすごくいい感じでした。

藤井 2人はもう戦友のようでしたね。カメラが回ってる中では恋人に見えるんですけれど、カットがかかると親友のようにも見える。その感じを見ていて、彼ら2人じゃなかったら、たぶん、今回の作品はできなかっただろうなとすごく思いました。

池ノ辺 それは素晴らしいことですね。監督は今回も、撮影の時は何テイクも撮ってたんですか。

藤井 今回は、3章構成のうちの第3章は35ミリフィルムで撮っているんです。だから、そこは『港のひかり』(2025)という映画をやった時の経験も活かし、なるべく事前にテストを繰り返してテイクは少なくするようにしました。フィルムが足りなくなってプロデューサーに怒られるので (笑)。

藤井 流星は、映画の中では意外と不器用なんですよ。でも、何度も何度も研磨して一緒に作り上げていくと、めちゃくちゃ素晴らしい。すずさんは、一発目から98点ぐらい叩き出すんで、この2人のセッションも面白かったですね。確かに、それがどんどん息が合ってきて、最後の第3章を撮ってる時は、それほどテイクを重ねなくても、ずいぶん呼吸が合ってきていたような気はします。

池ノ辺 すずさんのおかげですね(笑)。

藤井 すずさんのおかげです。リスペクトです。