とにかく映画が好き、映画を観るのが好き
本広 若い人たちが、どういうところで観ているのかというのはわからないですけど、「踊る大捜査線」のテレビドラマが始まった97年の、第1話を見ると、ものすごく地味な話なんですよ。所轄で事件が起きて、湾岸署の人たちが捜査してくと、途中で本庁の人たちが来て、「お前らはこの捜査はやらなくていい」と追い払われる。「このドラマはいったいどうなるんだろう?」と思いながら当時撮っていた記憶があります。所轄でも日々小さな事件は起きていて解決しなければならない。所轄と本庁の確執みたいなところに「踊る大捜査線」は集約していくんですけど、そこに室井さんの登場でさらに面白くなっていくわけです。これは本当によくできてるなと思いました。
池ノ辺 でもそれを撮ったのは監督ですよね (笑)。
本広 監督は大工と一緒です。プロデューサーの亀山さんに言われて、「わかりました」と撮ってできていったものです (笑)。そもそも連ドラの最初に僕が聞いていた話は、「和久さんの家に深津絵里さん演じる恩田すみれがいて、そこに居候として青島くんが来る。その3人がちゃぶ台で捜査会議をしてるんだよ」って言っていて。「そんな話、面白いんかなあ」って思った記憶があります(笑)。
池ノ辺 ある意味すごい話ですね(笑)。
本広 それがどんどん混ざっていって、広がっていって、じゃあ捜査会議をミュージックビデオみたいに撮ろうとか、音楽がプロレスラーの入場曲みたいになったりとか(笑)。
池ノ辺 今回は音楽も録り直してるんですよね?
本広 音楽には松本晃彦さんに帰ってきていただいて、ここは熱くしてほしい、ここは繊細にというのを全部お願いしました。

池ノ辺 大変な思いもしつつ、楽しい思いもしつつ撮られた作品ですが、監督から皆さんに伝えたいことはありますか。
本広 「踊る大捜査線」というのは、もちろん刑事が出てきて事件を解決していくわけですが、事件を追う刑事ドラマではないんです。どちらかといえば警察もの。登場する人たちの多くは警察官だけれども同時に平等な市民で、その人たちがどうやって事件を解決していくか、紐解いていくかということの面白さを追いかける話であって、犯人を逮捕するということはあまり重要ではない。血が流れるわけでもないし死体も出てこない。出てきたとしてもなるべく見えないように撮っています。それは、エンターテインメントの作品だったら、いろんな層の人にも観てほしいし、笑ってほしい、観終わった後で観た人と語り合うことができるような、そんな作品になっているといいなと、そう考えて作りました。
池ノ辺 そういう映画になっていると思います。ぜひ皆さんに観てほしいですね。では、最後の質問ですが、監督にとって映画って何ですか。
本広 そうですねえ、今は映画を作る側にいますけど、作る人間でなくてもとにかく映画を観るのがものすごく好きです。誰よりも観ていたい。何でそう思うのかわからないんですけど、映画館に行って映画を観たい。僕は実はテレビも配信もあまり見ないんです。映画館に行って、予告を見て、マナー広告を見て、「おお、始まる始まる!」っていうあの感じが楽しいんです。
池ノ辺 劇場に行って、大きなスクリーンを一緒に観て一緒に泣いたり笑ったりする、そういう時間を皆と共有できるというのがすごくいいですよね。
本広 「あ、この映画はやばいな」ってやつは1人で行くんです。で、観たあとで語り合いたくなるだろうなという映画は仲間を誘って行きます。
池ノ辺 本当に映画館にしょっちゅう行かれているんですね。
本広 相当行っています。この間はリドリー・スコット監督の新作『ラスト・サバイバー』を観て、その前は中島哲也監督の『時には懺悔を』を観ました。これは来るだろうなと思いましたけど、来ましたね。頭から離れなくなりました。ああいう映画を売るって大変だと思うんですけど、めちゃくちゃ面白かった。そういう作品が出てくるから、映画を観るのが好きなんです。たまにあるじゃないですか、これは本当に自分にフィットするというものに出会うこと。僕はそれをずっと映画から探してるような気がします。
インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
監督
1992年にドラマ演出家としてデビューし、96年の「7月7日、晴れ」で劇場映画を初監督。97年に演出を務めた刑事ドラマ「踊る大捜査線」は社会現象を巻き起こした。踊る大捜査線シリーズ / 踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!(1998年) 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年) BAYSIDE SHAKEDOWN 2(2003年) 交渉人 真下正義(2005年) 踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010年) 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012年) 室井慎次 敗れざる者(2024年) 室井慎次 生き続ける者(2024年) 踊る大捜査線シリーズ 踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!(1998年) 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年) BAYSIDE SHAKEDOWN 2(2003年) 交渉人 真下正義(2005年) 踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010年) 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012年) 室井慎次 敗れざる者(2024年) 室井慎次 生き続ける者(2024年)、「UDON」(06)「サマータイムマシン・ブルース」(05)、「曲がれ!スプーン」(09)「PSYCHO-PASS サイコパス」(14)「幕が上がる」(15)、「亜人」(17)、「曇天に笑う」(18)。

ある日、東京都内で誘拐事件が発生。犯人は身代金を指定の場所まで持ってくるよう指示をし、間に合わなければ街を爆破するという。そして、なぜかその“運び屋”として青島を指名する。さらに、3Dプリンター拳銃を使用した連続殺人事件も発生。殺された被害者の一人である科学者が持っていた毒性ウイルスも盗まれており、警視庁には「ウイルスを街にばらまく」という脅迫文が届く。警視庁の捜査一課に着任した青島に、史上最悪クラスの難事件が次々に押し寄せる。“犯人”はいったい―? 事件解決のため、青島は仲間とともに東京の街を走りに走りまくる!!
監督:本広克行
出演:織田裕二、趣里、白洲迅、佐々木蔵之介、増田貴久、野呂佳代、玉井詩織(ももいろクローバーZ)、藤吉夏鈴(櫻坂46)、齊藤なぎさ、佐藤二朗、ユースケ・サンタマリア、真矢ミキ、水野美紀、甲本雅裕、寺島進、伊藤淳史、滝藤賢一、松重豊、松下洸平、斉藤暁、小野武彦、北村総一朗
配給:東宝
©2026フジテレビジョン BSフジ ビー・エー・シー
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公式サイト odoru.com