Mar 03, 2018

インタビュー

『シェイプ・オブ・ウォーター』の魅力を伝えるキーパーソンに細野晴臣氏を選んだ理由。

池ノ辺

『シェイプ・オブ・ウォーター』をサーチライトで作ることになった経緯はご存知ですか?

 

平山

FOXのスタジオへ2016年に行った時に、制作担当の重役が『シェイプ・オブ・ウォーター』を作ることになった経緯を話してくれました。

サーチライトってペアなんですよ。

社長も男女ペアだし、制作担当もデヴィッド・グリーンバウムとマシュー・グリーンフィールドっていう2人が共同でやっているんです。

この2人と社長のナンシーさんがデル・トロの家に遊びに行ったそうなんです。

その時に、実はこういう企画があってと見せられたのが、『シェイプ・オブ・ウォーター』だった。

 

池ノ辺

昔から観ていた半魚人の映画からインスパイアされた企画なんですよね。

 

平山

そうそう。

サーチライトの3人が、「これいいじゃない、やろうよ」という話になってスタートしたそうなんです。

 

池ノ辺

宣伝の話をすると、『シェイプ・オブ・ウォーター』はいろんなものを作りましたね。

予告を含め映像をたくさん作りましたし、泡の中にいるような動画ポスターも作りました。

 

 

平山

ギレルモ・デル・トロ監督の作ってくるものが完璧じゃないですか。

だから、いかにそれを大事に日本で扱うかっていうことに神経を注いでポスターなんかも作っていきました。

 

池ノ辺

それから今回は、TVスポットを4タイプ作って、その一つはナレーションに細野晴臣さんが起用されました。

それはどうしてですか?

 

平山

それは、やっぱり……。

 

池ノ辺

わかった!細野さんに会いたかったんでしょ。

大ファンだものね。

 

平山

それもあるんですけど(笑)、本当のことを言うと『シェイプ・オブ・ウォーター』を語るのって、なんて言うかな〈魔法〉を使える人じゃないと駄目だと思うんですよ。

なおかつ、この作品が持っている気品を等身大に表現できる人って限られると思ったんです。

細野さんの声なら、それが伝わると思ったんですね。

というのは、やっぱり細野さんは、「イエロー・“マジック”・オーケストラ」じゃないですか。

 

池ノ辺

そうか、〈魔法〉が使える人なのね。

 

平山

細野さんの声は異界と繋がっているような気がするんですよね。

そういうものを持っているアーティストにお願いしないと、この映画は伝えられないなと思っていたので、最初から細野さんが念頭にあったんです。

 

池ノ辺

細野さんに映画を観ていただいた時はどんな感じでしたか。

 

平山

細野さん自身がすごく映画ファンなんですよ。

『キネマ旬報』にも連載を書かれていたぐらいですから。

その分、こだわりもお持ちで、映画は映画館で観たいと。

だから試写室に行かない方なんですよ。

 

池ノ辺

ちゃんと劇場で観たいという方なんですね。

 

平山

そこは僕らも尊重しなきゃいけないと思ったので、監督が来日する機会に劇場で試写をやったんですよ。

そこへ細野さんに来ていただいて、劇場で観ていただいたんです。

それで映画も気に入っていただけたので、ナレーションの話が成り立ったんです。

 

池ノ辺

私はTVスポットのナレーション原稿を書いたんですが、監督がインタビューで詩人のような言葉をいっぱい語ってくれたので、それがあまりにも素敵で、原稿にしたのです。

細野さんに読んでもらったらもっと良いの!

 

平山

やっぱり本当のアーティストなんですよ。

その場に居合わせた幸せを感じましたよ。

 

 

 

池ノ辺

あのTVスポットは、みなさんによく見ていただいているんですよ。

 

平山

TVスポットはやってよかったですね。

 

池ノ辺

新聞広告もすごかった。

見開きで『スリー・ビルボード』と『シェイプ・オブ・ウォーター』をアカデミー賞発表の前に劇場でどうぞ!って!そして、さらに見開きで『シェイプ・オブ・ウォーター』をど〜んと。

 

平山

宣伝としては、新聞広告でしっかりメッセージやコメントを伝えていって、後は街頭ビジョンやネット、テレビで映像を見せていく。

ちょうど今は中吊り広告をやっていますね。

街中に行くと広告がいやでも目に入ります。

関西、名古屋、東京の方々はアドトラックも目にすることになると思います。

夜は半魚人が光りますからね(笑)。

 

池ノ辺

これって相当な宣伝費がかかっていませんか?

 

平山

そこは上手くやっています(笑)。

ただ、相当に勝負しましたよ。

 

池ノ辺

宣伝の甲斐もあって大ヒット!そして3月5日はアカデミー賞授賞式。

『シェイプ・オブ・ウォーター』は、作品賞、監督賞(ギレルモ・デル・トロ)、脚本賞、主演女優賞(サリー・ホーキンス)、助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー)、助演男優賞(リチャード・ジェンキンス)、撮影賞、美術賞、音響編集賞、録音賞、編集賞、作曲賞、衣裳デザイン賞の最多13部門にノミネートです。

発表が楽しみですね。

 

(文:モルモット吉田 / 写真:根田拓也)

 


 

© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』

第90回アカデミー賞®最多13部門ノミネート。『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督が贈る切なくも愛おしい、誰も観たことのない究極のファンタジー・ロマンス。声を失くした孤独なイライザと、遠い海から連れて来られた“彼”。冷戦下のアメリカで、種族を超えた恋に落ちる二人だが、国家の行方を握る“彼”に危険が迫る─。

『パンズ・ラビリンス』の名匠ギレルモ・デル・トロ監督の比類なき世界観が、本年度ベネチア国際映画祭でも審査員のみならず観客も魅了。最高賞:金獅子賞に、満場一致で輝いた。

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ ほか

配給:20世紀フォックス映画

大ヒット公開中

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/

 


 

PROFILE

■平山義成(ひらやま よしなり)

20世紀フォックス映画
営業本部/FOXサーチライト
シニアマネージャー

1969年生まれ。1994年松竹株式会社に入社。映画興行部にて番組編成スタッフとして従事、以降ブエナビスタ・インターナショナル(ジャパン)を経て、1998年、20世紀フォックス(極東)映画会社に入社。主として配給営業を手がける。
2006年の「リトル・ミス・サンシャイン」をきっかけに、FOXサーチライト作品の配給業務全般に関わり始める。
2017年1月より正式に日本におけるFOXサーチライト作品の業務全体を統括し、以降、『ドリーム』(FOX2000作品)、『gifted/ギフテッド』、『スリー・ビルボード』、『シェイプ・オブ・ウォーター』を送り出す。
待機作品は『犬ヶ島』(5月公開)、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ(原題)』(7月公開)

池ノ辺直子

予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表/映像ディレクター。

フリー後「池ノ辺事務所」を設立。
10周年を記念して、バカばっかりの職人集団の意味で 株式会社バカ・ザ・バッカに社名変更し、代表取締役社長に。
今年で創立31周年を迎える。

2004年マックスファクタービューティースピリット受賞。 著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 イマジカBS審議委員 ニューシネマワークショップ講師。 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」の運営もしている

これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』 『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』 『マディソン郡の橋』『トップガン」『博士と彼女のセオリー』 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』 『ドリーム』『僕のワンダフル・ライフ』ほか1100本以上。

最新版は、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』、『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』。

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