Feb 10, 2018 interview

「僕がアナウンサーになった理由」、笠井信輔アナウンサーが語る愛溢れる映画の話。

A A
SHARE

池ノ辺

それは素晴らしいじゃないですか。

でも、この感想ノートはすごく貴重ね。

お母さんは、この感想文をなんて言ってました?

笠井

「よく書くわね」って(笑)。

それで思い出すのは、中学生の時に僕は『天国から来たチャンピオン』を5、6回観たのね。

あんなに劇場で繰り返し観た映画は初めて。

あれは、「自分は映画が好きなんだな」と確信した映画なんです。

この映画は僕がアナウンサーになった理由にも繋がる話なんだけれども……聞いてくれます?

池ノ辺

聞いてあげましょう(笑)。

笠井

『天国から来たチャンピオン』を初めて観た時、感想文を書く前に、母親に「すごく良かったんだ」って言うと、「どんな映画なの?」って訊かれたんです。

僕はザーっとストーリーを最初から話したんですよ。

頭が活性化してる中学生だから、ほぼ映画のストーリー通りに完全に再現して話したんですよ。

そうしたら、最後のオチのところで母が泣き始めた。

池ノ辺

うわぁ〜、すごいわね。

伝わったんだ。

笠井

そう。

やったあ~と思って。

それで、『天国から来たチャンピオン』って凄いんだと。

もうひとつ、そこで自分の喋りに関して認識したわけ。「僕はしゃべる力があるのかもしれない」とね。

池ノ辺

映画は、笠井さんが書いたり喋ったりすることの訓練になっていたのね。

じゃあ、一番好きな映画は『天国から来たチャンピオン』?

笠井

一番好きな映画は色々あって、これが難しい。

ジャンルごとに違ったりするから、SF映画だったら『スター・ウォーズ』よりも『未知との遭遇』。

パニック映画だったら『新幹線大爆破』になる。『ダイハード』(刑事)、 ·『ロッキー』(スポーツ)、『地獄の黙示録』(戦争)、『日本沈没』(災害)、『七人の侍』(時代劇)まだまだあるけど、やっぱり一番大切な映画は『天国から来たチャンピオン』かな。

池ノ辺

それじゃあ、次回は笠井さんがどうして映画ファンになって、アナウンサーになってからも映画の仕事が出来るようになっていったかをうかがいますね。

(文:モルモット吉田 / 写真:根田拓也)


映画『今夜、ロマンス劇場で』

映画監督を夢見る青年・健司(坂口健太郎)は助監督として映画撮影所を奔走する日々。しかしなかなか仕事はうまくいかず、落ち込むことも多い。そんな健司の唯一の楽しみは映画館“ロマンス劇場”へ通うこと。古いモノクロ映画のヒロインである王女・美雪(綾瀬はるか)に心を奪われ、スクリーンの中の彼女に会うために映画館に通い続けていた。そんなある日、美雪が実体となって健司の前に現れる。モノクロ姿のままの彼女をカラフルな現実世界に案内するうち、二人は惹かれ合っていく。しかし美雪には、人のぬくもりに触れると消えてしまうという秘密があった。この真実に二人はどう向き合い、どんな答えを出すのか。ロマンティックで切ないラブストーリー。

映画『今夜、ロマンス劇場で』 監督:武内英樹 脚本:宇山佳佑 音楽:住友紀人 出演:綾瀬はるか 坂口健太郎 本田翼 北村一輝 中尾明慶 石橋杏奈 西岡德馬 柄本明 加藤剛 主題歌:シェネル「奇跡」(ユニバーサル ミュージック) 配給:ワーナー・ブラザース映画 2018年2月10日(土)公開 ©2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会 公式サイト:romance-gekijo.jp


PROFILE

■笠井信輔(かさいしんすけ)

株式会社フジテレビジョン 編成局アナウンス室ゼネラルアナウンサー

1963年東京都世田谷区生まれ。87年株式会社フジテレビジョンに入社。入社以来「タイム3」をはじめとしたワイドショーや「今夜は好奇心」「ザ・ウィーク」「めざましテレビ」といった情報番組を担当後、夕方6時のニュース番組「ザ・ヒューマン」のキャスターを務め、「ナイスデイ」司会を経て、現在は「とくダネ!」ニュースデスク。 映画担当アナのため、中学時代からの映画マニアぶり(年間新作鑑賞140本以上)をいかんなく発揮。映画関連の著書や連載なども行っている。 担当番組…「とくダネ!」(月~金 朝8時~9時54分)/ 「男おばさん」(CS放送 フジテレビONE TWO 日本映画専門チャンネル)

池ノ辺直子

映像ディレクター。株式会社バカ・ザ・バッカ代表取締役社長
これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』『マディソン郡の橋』『トップガン』『羊たちの沈黙』『博士と彼女のセオリー』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ノマドランド』『ザ・メニュー』『哀れなるものたち』ほか1100本以上。
著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 WOWOWプラス審議委員、 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」も運営もしている。
映画が大好きな業界の人たちと語り合う「映画は愛よ!!」記事一覧はこちら