Feb 10, 2018 interview

「僕がアナウンサーになった理由」、笠井信輔アナウンサーが語る愛溢れる映画の話。

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映画が大好きで、映画の仕事に関われてなんて幸せもんだと思っている予告編制作会社代表の池ノ辺直子が、同じく映画大好きな業界の人たちと語り合う「新・映画は愛よ!!」

フジテレビのアナウンサー笠井信輔さんが、いかにして映画にはまっていったのか、今回からは笠井アナウンサーの映画愛溢れる少年時代のお話です。

→前回までのコラムはこちら

池ノ辺直子 (以下 池ノ辺)

笠井さんは年間に140本映画を観るとか。

お仕事が忙しいのに、どうやって観てるんですか?それが訊きたくて仕方なかった。

笠井信輔 (以下、笠井)

まず、僕自身は朝2時半に起きて、3時半に出勤するんです。

池ノ辺

午前2時半起きって、私はこれから寝ようっていう時間ですよ。

いつも何時に寝てるんですか?

笠井

だいたい午後10時半から11時ぐらいが多いですね。

それで、朝4時半から打ち合わせが始まって本番、8時間勤務すると、昼に終わるんです。

そこからは、基本的に自分で調整できる時間なんですよ。

仕事を終えて、自分の時間として映画の試写や劇場に行く。

確かに午後もこういう取材があったり、自分からインタビューに行くこともあるので、いつも空いてるわけではないから、僕の手帳にはパズルのように試写の時間が書いてあります。

池ノ辺

映画は劇場ではなくて試写で観ることが多いんですか?

笠井

私、『男おばさん』っていう映画番組をもう18年やってるんですよ。

池ノ辺

『男おばさん』も長いですよね。

最初、何ていうタイトルだって思いましたよ!

笠井

“バカ・ザ・バッカ”に言われたくないですよ(笑)。

池ノ辺

ははは(笑)。

でも喋りを聞いていると、これは男おばさんだなって思いました。

じゃあ、そこで喋るために試写で先に観ることが多いわけですね。

笠井

そうそう、『ESSE』の映画紹介コーナーを15年以上毎月やっているし、『産経新聞』にも14年ぐらい連載をやっているので、そのためにも観なきゃいけない。

自分の映画評論の姿勢って何かと言ったら、その映画のどこが面白くて、どこが楽しいのか、どんな風に観たら楽しく観られるのかというところを伝えることだと思っているんです。

そのためには、たくさん観なきゃ偉そうなことも言えない。

池ノ辺

それは、面白くなくても、面白い部分を見つけるということ?

笠井

それとはちょっと違っていて、面白くない時は取り上げないんですよ。

池ノ辺

ああ、なるほど!予告編はおもしろくない作品でも作ります(笑)。

笠井

批判のための文章は書かない。

だから、僕はいつも『産経新聞』だと3本、『ESSE』は1本、『男おばさん』は毎週2本取り上げるんですが、つまんない作品は取り上げないですよ。

ここはこうすべきだとか、この芝居はこうだと語ることもできるんだけれども、それってお客さんを増やすことには繋がらない。

僕の使命は劇場に足を運ぶ人を増やすことだと思ってるんですよ。

なぜかと言うと、お客さんが増えれば、それだけ収入が増える。

収入が増えれば儲かる。

儲かればそれが次の映画の予算になる。

映画作りの循環が非常に良くなるわけですよ。