――聞けば聞くほど深い映画ですね。最後に役者以外に興味があること、やりたいことを教えて下さい。
黒崎 役者以外でやりたいことは‥‥、小屋を建てたい、ですかね。最近、地元に帰ったんですが、木がいっぱいある森なんですけど、昔はそこでよく秘密基地を作っていたんです。段ボールとか使って、あれをまたやりたいです (笑)。キャリア的なものでは全然ないんですけど。
多緒 全然良いよ。
黒崎 あっ、キャリア的には、やっぱり監督をやってみたいです。
多緒 本当に? 是非やって下さい!
黒崎 やっぱり色々な方に触発されて、やってみたいと思います。

――監督するならどんなジャンルのものをやりたいですか。多緒さんの監督作品『サン・アンド・ムーン』は、会話劇ですが。
黒崎 コメディですかね。いやわからない‥‥、青春もの? ベン・スティラーさんが出演している。え~と、ジェイ・ローチ監督の『ミート・ザ・ペアレンツ』(2001) みたいなものも知っているけど。
――『ナイト・ミュージアム』『LIFE!』とか。
多緒 何だろう、『ズーランダー』(2002) とか。
黒崎 『ズーランダー』大好きです。そんな感じの作品をやりたいと思っております。
多緒・伊藤 期待しています。
黒崎 『リアリティ・バイツ』(1994) だ。
――ベン・スティラー監督の最初の方の作品ですね、青春群像劇。
黒崎 そうです。答えが出るのに時間がかかってすみません (笑)。
――いやいや、考えるのが楽しかったです。多緒さんはどうですか。
多緒 私は少し前から自分で短編とかの監督をしていますけど、“ドキュメンタリーを撮りたい”と最近は思っているんです。ちょっと気になっている題材があって、私はそれを基に脚本を書こうと思っていたのですが、“ドキュメンタリーの方がいいかもしれない”と考え直して、そのアイディアも練っているんですが、今は出産を控えているため、まずはそちらが第一プロジェクトだと思っています。
――子どもがお生まれになったら、面白い感覚が生まれるかもしれませんね。
多緒 そうですね。キャッチするものが変わって来るかもしれませんね。さらに広がるかもしれないと思っています。
――色々とワクワクですね、楽しみにしています。
カンヌ国際映画祭では新しい命と共にレッドカーペットを歩き、「命についても描かれる映画ですし、そういった意味でも子どもとの一生の思い出作りになりました」といったニュアンスで話し、微笑んでいた岡本多緒さん。共演者のヴィルジニー・エフィラさんと受賞の喜びを抱き合って分かち合っていた姿にこちらも胸が熱くなりました。また黒崎煌代さんは二度目のカンヌを楽しんでいるようで、カンヌでは終始笑顔でリラックスしていました。濱口竜介監督の現場が俳優陣にとっても素晴らしいものだったのではと、カンヌでの取材や日本での舞台挨拶を間近で見て感じた私ですが、気付けば間違いなくこの映画のファンになっておりました。
岡本多緒 ヘアメイク:美舟 SIGNO) / スタイリスト:船越 綾
黒崎煌代 ヘアメイク:Tomoe Chika (artifata) / スタイリスト:能城 匠 (TRON)

パリ郊外の介護施設「⾃由の庭」の施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌは⼊居者を⼈間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、マリー=ルーは森崎真理という日本人の演出家に出会う。がん闘病中の真理が演出するのは、自閉スペクトラム症の孫・智樹と行動を共にする俳優・清宮吾朗の一人芝居。真理の描く演劇に勇気をもらったマリー=ルー。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、二人の交流が始まる。しかし、あるとき真理は「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、二人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。
監督:濱口竜介
原作:宮野真生子・磯野真穂著『急に具合が悪くなる』(晶文社)
主演:ヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒、長塚京三、黒崎煌代
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2026年6月19日(金) 全国ロードショー
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