本コラム独占インタビュー / エミー賞受賞トーコ・ナガタさん
ーー 「ミュージック・スーパーバイザー」という仕事を志したきっかけは?
高校生のときに、アレクサンドラ・パツァヴァス (Alexandera Patstavas)というドラマ「The O.C」のミュージック・スーパーバイザーの記事を読み、それまでは、こんな仕事があるなんて一切知らなかったのですが、それ以来この道に進みたいと強く思うようになりました。
ーーこの仕事に必要なのは音楽の知識?それとも法的な知識?
ミュージッククリアランス(音楽の権利処理)を勉強しておくのはとても大事だと思います。なぜなら、ほとんどの音楽監修者が映画やTVで使われる楽曲それぞれの交渉をするからです。音楽専攻のバックグラウンドは助けにはなりますが、現在の音楽シーンや新旧の楽曲カタログ、映画やテレビのスコアを学ぶことが好きであり、さらには先入観や自分の考えにこだわらずに柔軟であれば、音楽のバックグラウンドがなくとも、その道は切り開けると思います。
ーー最も困難だったこと、やりがいがあったことは?
プロジェクトごとにそれぞれ違うのですが、やりがいを感じるのは、私がある楽曲をプロジェクトで起用することで、そのアーティストやミュージシャンがファン層を広げたり創作活動を続けたりすることに繋つながることです。
ーーハリウッドで活動する上での言葉の壁はあった?
9歳まで日本に住んでいましたが、アメリカンスクールに通っていたので、アメリカに引っ越したときには、すでに英語で生活することには問題ありませんでした。
ーーエミー賞受賞おめでとうございます。「ウィドウズ・ベイ」の音楽監修の過程について教えてください。
ありがとうございます!それはやはり、ショーランナーであるケイティ・ディポルド、監督たち、ポスプロのプロデューサーであるケイトリン・ワルドロン、編集スタッフなどを含めたチーム全体とのコラボで成り立っています。具体的に言えば、島が孤立していてテクノロジーや情報が限られている環境、そしてニューイングランドの居心地のいい、こじんまりした雰囲気を強調しました。
ーーヒロ・ムライ監督との出会いは?
監督との出会いは、インディペンデント映画「Dìdi」(2024)のパネルディスカッションで、彼が司会をされていたときです。この映画は私の友人ショーン・ワンが監督し、私が音楽監修を務めました。私たちは彼の大ファンだったので、とても嬉しかったです。Apple TVでの仕事はとてもすばらしいもので、とくにミュージックチームのクリエイターたちはみんな支え合い、そのコラボはかけがえのない経験となりました。
