Dec 16, 2022 column

映画『Dr.コトー診療所』公開記念 ヒューマン・ドラマの金字塔を振り返る

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16年ぶりの映画『Dr.コトー診療所』

この医療ヒューマンドラマの人気シリーズが、16年ぶりに新たな物語を紡ぐ。

夫婦となったコトーと彩佳はどう過ごしているのか、そして島民たちのくらしはどうなっているのか、今現在の志木那島の様子が描かれる。なかでも、2006年シーズンで、志木那島に新たに創設された奨学金制度を利用し、医学部を目指していた原剛洋は、今どうなっているのかが気になるところだ。

また映画の主題歌は、もちろん2003年、2004年、2006年とシリーズ通して歌われてきた「銀の龍の背に乗って」。

タイトルの「銀の龍」に込められた意味を中島みゆきは「命に向き合いながら孤独に戦う医師たちの心に想いを馳せ、命の水の化身である龍に願いを託したかった。その龍の色が銀色であるのは、手術用のメスが銀色だから」と、2016年発売のベストアルバム「前途」内で解説している。

また、2003年リリース当初には、「船が海を渡るとき、その後ろに波を切ってできる白波が立つ。それが太陽に照らされてキラキラ輝いている様子は、まるで”銀の龍”のようだ」とも語っていた。

ドラマ第1話でコトーが船に乗って志木那島まで向かうシーンを彷彿とさせるような、まさに『Dr.コトー診療所』のための楽曲なのだ。

主人公・五島健助を演じた吉岡秀隆は、こう語る。「『Dr.コトー診療所』は、それまで20年間純役を務めた『北の国から』が終わったタイミングで、連続ドラマがはじまりました。中江監督が純のイメージを変えて、役者として新たな生命を吹き込んでくれた作品なので、僕にとってはとても大事な作品であり、役でもあります」

これは彼だけでなく、ドラマ出演、制作してきた人々も同じく大事な作品だと、今回、映画化するにあたり、17名もの役者が、そしてドラマ当時と同じスタッフが”コトーとためなら”と再集結した。

16年ぶりの映画化。時が経ったが積み重ねてきた時間が、物語の、そして登場人物たちの気持ちの理解を深めることに繋がるだろう。
ドラマ放映当時と違った感情を抱くこともあるだろう。初めての観客は、泥臭く濃密な人間関係のあったかさを知るだろう。私たちが実社会で経験した時間を、コトーたちも積み重ねてきた。今、描かれる『Dr.コトー診療所』をあなた自身の瞳で確認してほしい。

作品情報
映画『Dr.コトー診療所』

国民的大ヒットドラマ「Dr.コトー診療所」。前作の放送から16年の時を経て待望の映画化。青い空と美しい海、雄大な自然に囲まれた志木那(しきな)島の舞台はそのままに、あれから16年経った今も変わらず島の人々と寄り添いながら生きるDr.コトー・五島健助の新たな物語を描く。

監督:中江功

原作:山田貴敏「Dr.コトー診療所」(小学館)

出演:吉岡秀隆、柴咲コウ、時任三郎、大塚寧々、髙橋海人(King & Prince)、生田絵梨花、蒼井優、神木隆之介、伊藤歩、堺雅人、大森南朋、朝加真由美、富岡涼、泉谷しげる、筧利夫、小林薫

配給:東宝

©山田貴敏

©2022 映画「Dr.コトー診療所」製作委員会

公開中

公式サイト coto-movie.jp