主演に黒木華を迎え、『わたし達はおとな』『ほつれる』の加藤拓也が自ら脚本を書き下ろして監督をつとめた最新作、映画『日曜のあと』。このたび本作の全国公開が決定し、あわせて特報映像が公開された。
本作が描くのは、「夫婦」という最も身近で、最も複雑な人間関係。子どもを授かり、新たな人生の節目を迎えた麻衣と洸一。お互いに望んだ幸せであるはずなのに、言葉にできない何かが二人の間に置かれたまま、旅先での5日間が始まる‥‥。
本作の監督を努めた加藤拓也は、演劇と映画を行き来しながら、ゆるやかに交錯し合う世界観と表現を展開してきた俊英。2023年に劇団公演「ドードーが落下する」で第67回岸田國士戯曲賞を受賞。長編2作目『ほつれる』では、第45回ヨコハマ映画祭〈森田芳光メモリアル新人監督賞〉、第45回ナント三大陸映画祭コンペティション部門〈DISTRIBUTION SUPPORT AWARD〉を受賞し、さらに2024年にはスペインのバレンシア国際映画祭で最高賞〈Luna de Valencia〉に輝くなど、その作家性は国内外で高く評価されてきた。

本作のメインのロケ地には洗練された建築デザインが特徴のホテルを全面的に使用。俗世間から隔離されたかのような舞台装置を存分に生かすだけでなく、湖や木々など映画ならではの自然のロケーションを取り込み、そこに身を置く登場人物たちの焦燥や孤独を映し出す。
妊娠した妻の麻衣を演じるのは黒木華。2014年に『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞し、若くして国内外で高い評価を受けた才能が、作品ごとに表現を重ねる中で育まれた深みをまとって現れている。その夫である洸一には、加藤の手がける舞台でたびたび主演を担い、作品の顔として劇中世界を支えてきた橋本淳。両者の呼応が、繊細なズレの積み重ね、徐々に高まっていく緊張感、引き返せない思いの発露までを、一片の綻びも許さない密度で紡ぎあげた。彼女らの危機に立ち会う麻衣の伯母夫婦には吉田羊と古舘寛治。演劇畑と映画界をまたいで存在感を放つ実力派の4人が、緻密に構築された端正かつ危ういカルテットを奏でる。
このたび公開された特報映像では、静かなプールや霧に包まれた湖、夜の集いなど、美しい非日常の風景が映し出される。その一方で、鏡越しに向き合う麻衣と洸一、荷物を手に立ち去る夫と、その場に一人残される妻――。穏やかに見える旅先の時間の中で、言葉にできない感情が二人の間に少しずつ積み重なり、夫婦の距離が静かに張り詰めていくことを予感させる特報映像となっている。
映画『日曜のあと』は、2026年11月20日(金)全国公開。