Oct 16, 2017 column

『わろてんか』制作統括の後藤プロデューサーに前半の見どころを聞きました

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笑って泣いて、また笑う、それが真骨頂

 

──そんなところまで考えているんですか、すごいですね(笑)。では、これからの見どころを教えてください。

1週目の最後、子役の新井美羽さんから葵わかなさんへのヒロインの転換は、すっとドラマ世界に入り込んで観ていただけたのではないでしょうか。2週目は、家族の物語に大きな事件が起きました。兄の新一(千葉雄大)が亡くなった深い悲しみを、家族たちがあえて笑うことで乗り越えてゆく姿を描けたと思います。そしてこれからの3週目は、てんと藤吉のラブストーリーが一気に展開していきます。「ロミオとジュリエット」のようになって、テンションがどんどん上がっていきます。4週目になると、いよいよてんが、大阪に行きます。愛する人と大阪に行って万々歳かと思いきや、鈴木京香さん演じる、いけずなお姑さんによって、思いもしなかったてんの苦労がはじまります。4週目は、てんの母役の鈴木保奈美さんと、藤吉の母役の鈴木京香さんが対決する場面は見ものです。今後、てんの波乱万丈は続くという感じですね。

──私たちがドラマで憧れてきたお二人の女優対決が。

……ですね。お楽しみください(笑)。

 

 

──家族の絆や夫婦愛のドラマとはいえ、寄席が舞台ということですから、大阪編になると、たくさん芸人さんが出てきますか?

役としての芸人さんは出てきますが、それを演じる方は必ずしも芸人さんではありません。芸人役の方たちは、てんと藤吉と共に寄席を大きくしていく青春群像の一員ですから、芝居に慣れた役者さんに芸人役をやっていただくことになります。とはいえ、もちろん、せっかく大阪で撮影しているので、藤井隆さんや内場勝則さんをはじめ、大阪の芸人さんにも出演してもらってます。でも芸人さんが芸人さんの役をやることは難しいと思います。台本上、わざと面白くない設定のお芝居を要求されることもありますが、芸人さんはつまらなく演じることは生理的にできないでしょうからそのへんの塩梅が難しいところですね。

──藤井隆さんの後ろ面という芸はいつから出てきますか。

4週目以降ですね。藤井さんの役は、最初、後ろ面の芸人という設定ですが、やがて奥さんと夫婦漫才をやるようになります。

 

 

──第1週では“俄”という、歌舞伎のモノマネ芸が出てきました。そういう、現代ではあまり知られてない芸能を観ることができることも楽しいです。

松坂さんが第1週でやったのは、石川五エ門の『桜門五三桐』の「南禅寺山門の場」のパロディですね。ほかに、キース(大野拓朗)がやる“目がつら”という芸も出てきます。アサリ(前野朋哉)の“百面相”は、柳家小さん師匠などがやっていたそうです。そういう芸をお見せできるのはほんのわずかで残念なんですが。落語にしてもちゃんとやると放送時間の15分間が終わってしまうので。

──たくさん出なくても、ほんのすこし出てくるだけで、時代のディテールが深まります。

そのへんはチーフ演出の本木ディレクターがこだわっています。ものすごい“取材の鬼”で、いろんなことを調べてきてドラマになんとか入れ込もうとするんですよ。1週目の冒頭で“薬祭り”という京都のお祭りが出てきましたが、その中にも、変わった風俗が織り込まれていました。そういった取材に基づいた細かい部分もぜひお楽しみください。そうそう、その本木ディレクター演出の第7週に登場する落語シーンは前代未聞かもしれません。そちらもご期待いただければ。

 

プロフィール

 

後藤高久(Takahisa Goto)

1965年、大阪府生まれ。大阪外国語大学英語学科卒。1989年NHK入局。『春よ、来い』、『翔ぶ男』の演出を経て、『どんど晴れ』でプロデューサーに。『つばさ』、『四十九日のレシピ』、『新選組血風録』、『聖女』、『僕の妻と結婚してください』、『奇跡の人』など制作統括などをつとめる。

 

ドラマ紹介

 

連続テレビ小説『わろてんか』

連続テレビ小説『わろてんか』(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
脚本:吉田智子 
演出: 本木一博、東山充裕、川野秀昭ほか
出演:葵わかな 松坂桃李 濱田岳 高橋一生 鈴木保奈美 鈴木京香 竹下景子 遠藤憲一 ほか

木俣冬

文筆家。主な著書に「ケイゾク、SPEC、カイドク」(ヴィレッジブックス)、「SPEC全記録集」(KADOKAWA)、「挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ」(キネマ旬報社) 、共著「おら、あまちゃんが大好きだ! 1、2」(扶桑社)、「蜷川幸雄の稽古場から」、構成した書籍に「庵野秀明のフタリシバイ」、ノベライズ「マルモのおきて」「リッチマン、プアウーマン」「デート?恋とはどんなものかしら?」「恋仲」「IQ246~華麗なる事件簿」など。 初めて手がけた新書『[みんなの朝ドラ]』(講談社現代新書)が発売中! その他、エキレビ!で[毎日朝ドラレビュー] 連載。[ヤフーニュース個人] でも執筆。 otocotoでの執筆記事の一覧はこちら:[ https://otocoto.jp/ichiran/fuyu-kimata/ ]

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