Oct 16, 2017

コラム

『わろてんか』制作統括の後藤プロデューサーに前半の見どころを聞きました

気になる視聴率、でも注目されているのはいいこと

 

──大阪の“朝ドラ”は、関東出身の脚本家と俳優でやることが多いですが、わざとひっくり返しているのですか?

たまたまですよ。例えば、もし、大阪出身の高畑充希さんや兵庫出身の有村架純さんが『とと姉ちゃん』や『ひよっこ』をやっていなかったら、NHK大阪制作の“朝ドラ”に出演していたかもしれないです。こればっかりはタイミングでしかないです。それと、やっぱり関東出身の俳優さんが人数的に多いので、確率的には、そうなるでしょうし。脚本家の方もたぶん同じ理屈だと思います。

──視聴率が気になるところだと思いますが。

“朝ドラ”全般が注目を浴びていることはいいことだと思っています。『ひよっこ』からいいカタチでバトンを受け取ったので、私たちも次作にキチンとつないでいけたらと思います。

──視聴率を落とせないから実験できなくないですか?

いえ、歴代のどの作品もチャレンジはしているんです。

──今回はどのへんがチャレンジしているところなのでしょうか?

笑いというものを扱うことは難しいと思います。それと“芸能業界もの”という題材も、私たちがふだん関わっている世界だからこそ、専門用語が飛び交うような描き方になって観ている方が理解できないなんて恐れもあります。でもこのドラマの核心は、 “家族”の話なので、そこをきっちり描くからこそ、笑いをテーマにするみたいなチャレンジもできるのだと思います。

 

 

──さすが、実験的だった『つばさ』をやられた後藤さんですね。『つばさ』も家族の物語と、ラジオ番組制作や地方都市の町おこしの話を、その町に暮らすじつにいろいろな立場の人たちの生き方とともに描かれていました。

『つばさ』は、もっと振り切れていました(笑)。イッセー尾形さんが、背中から羽の生えたラジオの妖精の役で出てきたりして…。テーマとして表現しようとしていたことは間違っていないといまでも思っています。ただちょっとやり過ぎたところはあったかもしれませんね(笑)。今回は、観ていただく方に、まずはゆったりと楽しんでいただこうと思っています。

──『てるてる家族』(03年)も再放送で再評価されました。00年代は実験作を作っていて、それがやっと成功したのが『あまちゃん』ですよね。

『あまちゃん』が秀逸だったのは、アイドルネタが出てくるのが中盤からで、最初はおばあちゃんと孫、母と娘の関係をきちんと描いていたことですね。そのあとは怒涛のような展開でしたが、それが心地よくなっていった。

──NHKの制作スタッフのみなさんが、切磋琢磨して、面白い‘朝ドラ’を模索しているんですね。

誰もがいまやっている作品が一番だと思って作っているので、自信をもって観ていただきたいと言わせていただきます。でもやはり、視聴率も気になります(笑)。毎日毎日、少しずつでも観てくださる方が増えてゆけばいいなと願っています。あとは、『あさイチ』で、おもしろく受けてもらえるようになるといいですね(笑)。毎回、有働さんが本気で泣いたり笑ったりした顔ではじまるようにできると最高なんですが。

木俣冬

文筆家。主な著書に「ケイゾク、SPEC、カイドク」(ヴィレッジブックス)、「SPEC全記録集」(KADOKAWA)、「挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ」(キネマ旬報社) 、共著「おら、あまちゃんが大好きだ! 1、2」(扶桑社)、「蜷川幸雄の稽古場から」、構成した書籍に「庵野秀明のフタリシバイ」、ノベライズ「マルモのおきて」「リッチマン、プアウーマン」「デート?恋とはどんなものかしら?」「恋仲」「IQ246~華麗なる事件簿」など。
初めて手がけた新書『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中! http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062884273

その他、エキレビ!で毎日朝ドラレビュー連載。ヤフーニュース個人https://news.yahoo.co.jp/byline/kimatafuyu/ でも執筆。 otoCotoでの執筆記事の一覧はこちら:https://otocoto.jp/ichiran/fuyu-kimata/

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