Oct 16, 2017

コラム

『わろてんか』制作統括の後藤プロデューサーに前半の見どころを聞きました

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好調な滑り出しを見せている、“朝ドラ”こと連続テレビ小説第97作目の『わろてんか』。京都の老舗薬問屋のお嬢様・てん(葵わかな)が、大阪船場の米問屋の跡継ぎ・藤吉(松坂桃李)と恋に落ちて駆け落ちし、夫婦二人で寄席経営を始める物語。
何があっても笑って生きていく、彼らの姿に元気をもらえる『わろてんか』。その制作統括・後藤高久さんの取材のため、NHK大阪放送局に伺った。インタビュー後編です。

取材ついでに、撮影現場も見学させてもらったが、スタジオいっぱいに、明治~大正時代の大阪天満の街並のセットが建て込まれていて、なんだかテーマパークのよう。
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)が経営する寄席の目の前には神社があって、その階段をあがると、大阪の街並みが見える設定になっている(さすがに遠景はCG処理)。
朝ドラのセットはたいてい、壁の一面を開けて、撮影するので、本番の様子もカメラの後ろから簡単に見学できるが、この寄席セットの撮影は、壁も屋根も全面塞いだ状態で行っていたので、直接役者の演技を観ることができず、モニターで見せてもらった。
収録に時間がかかる撮影方法で、連続ドラマに不向きではあるが、その分、画面のリアリティは格段に上がる。
そんな工夫をはじめ、『わろてんか』のトライを、制作統括・後藤高久さんに伺いました。

 

第9回 『わろてんか』制作統括の後藤プロデューサーに聞く(後編)

 

葵わかなさんは笑顔が決め手だった

 

──脚本家・吉田智子さんの魅力を教えてください。

ラブストーリーを書いてほしいという気持ちがあって、吉田さんにお願いしました。それとともに、いったんどん底に堕ちて這い上がってくる主人公の描き方が巧みだと思います。虐められながらも健気に前に進んでいくヒロインの行動はおもしろいですね。

──橋田壽賀子さんのような?

そういう感じではなく(笑)、小公女やシンデレラみたいな感じです。

──少女小説みたいな感じですね。それを演じられる葵わかなさんはいかがですか?

とても笑顔がいいですね。ヒロインオーディションのとき、“魅力的な笑顔の人”が応募条件のひとつだったと記憶していますが、葵さんは抜群でした。『わろてんか』は、笑いテーマのドラマですから、笑顔がいちばん大切です。しかも彼女の場合は、その笑顔がいかにも作為的なものではなく、素直で自然なんです。ドラマではこれから徐々に、ヒロインのてんがオトナの女性になっていくので、娘時代とはまた違う笑顔を見せてくれると思います。

──朝ドラのヒロインという大役を19歳という若さで担っているわけですが、プレッシャーを感じていらっしゃる様子はないですか?

とても頑張っていると思います。たぶん真面目な方なので、ストイックに演技を突き詰めることもあるようですが、クランクインから数ヶ月経って、近頃は、リラックスする大切さに気づきはじめてきたようです。月曜がリハーサル、火曜から金曜は、朝から晩まで撮影の繰り返しですから、根を詰めすぎると大変です。藤吉役の松坂桃李さんから、「ひとりで抱え込まず、みんなに相談すればいいんだよ」とアドバイスをもらって、少しずつ肩の力が抜けてきたのかもしれません。

──今、19歳ですが、50代まで演じるのですよね。

これが朝ドラの宿命です(笑)。19歳の女性が、50代まで演じることができるのか?という懸念はあるかと思いますが、彼女の場合は普通の19歳にはない落ち着きがあるので、大丈夫だと思います。もちろん、本物の50歳の人の横に立ったら、肌つやなどは明らかに違うでしょうけれど(笑)、毎日、ご覧になっていらっしゃる方には違和感のない形で歳を重ねていけると、そこは心配していません。

木俣冬

文筆家。主な著書に「ケイゾク、SPEC、カイドク」(ヴィレッジブックス)、「SPEC全記録集」(KADOKAWA)、「挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ」(キネマ旬報社) 、共著「おら、あまちゃんが大好きだ! 1、2」(扶桑社)、「蜷川幸雄の稽古場から」、構成した書籍に「庵野秀明のフタリシバイ」、ノベライズ「マルモのおきて」「リッチマン、プアウーマン」「デート?恋とはどんなものかしら?」「恋仲」「IQ246~華麗なる事件簿」など。
初めて手がけた新書『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中! http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062884273

その他、エキレビ!で毎日朝ドラレビュー連載。ヤフーニュース個人https://news.yahoo.co.jp/byline/kimatafuyu/ でも執筆。 otoCotoでの執筆記事の一覧はこちら:https://otocoto.jp/ichiran/fuyu-kimata/

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