空族・富田克也監督の最新作、映画『潜行一千里 ILHA FORMOSA』の予告映像、メインビジュアルが公開された。
『サウダーヂ』『バンコクナイツ』など独自の路線で、映画界の裏街道をひた走る映像制作集団「空族」。彼らの映画の最大の特色は徹底したリサーチにある。映画の舞台となる場所を、とにかく歩きそこに住む人々と交流を深める。そして、現地の人々、歴史、そして現在を知るところから映画が始まる。
『サウダーヂ』の時は『FRUSATO2009』、『バンコクナイツ』は『映画 潜行一千里』と対になるドキュメンタリーを発表してきた空族だが、今回の『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は、2026年に撮影予定となる新作映画のリサーチ過程を追ったドキュメンタリー映画。舞台となるのは、台湾。2020年以降、コロナ渦の最中に空族は台湾に幾たびも飛び、リサーチを続けてきた。
この度公開された予告映像では、台湾の奥深い山々を超え辿り着いた原住民の村の人々との交流の一部が描かれる。前半は、きらびやかな衣装に纏った男女たちが、三日三晩踊り続けるアミ族最大の豊年祭に向けて入念な準備を重ねてお祭りに挑む様子が映し出されていく。
後半は、富田監督が、セデック族の住民たちに既に自分たちの子供たちがセデック語を話さなくなったことをどのように思っているのか尋ね、続いて、原住民の部族の血を受け継ぐ若いミュージシャンのインタビューが挿入される。いくつもの国の植民地支配の歴史で、文化が様々に混じりあうこと。消え去ろうとする原住民の文化や言語への危機感。民族の言葉を使いラップするミュージシャン。それぞれの形で自身のルーツである文化や言語を現代に取り込み継承しようとしていく。
映画『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は、2025年11月22日(土)より全国ロードショー。
2026年に撮影予定となる空族の新作映画のリサーチ過程を追ったドキュメンタリー映画。
監督：富田克也
配給：空族
© kuzoku
2025年11月22日(土) 新宿 K’s cinema ほか全国ロードショー
