アートドキュメンタリー、映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』を手掛けたヴィム・ヴェンダース監督から日本公開に際してメッセージ動画が寄せられた。
本作は、戦後ドイツを代表する芸術家で、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、現在を追ったドキュメンタリー。
監督を務めたのは『PERFECT DAYS』で役所広司に第76回カンヌ国際映画祭 主演俳優賞もたらし、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたことも記憶に新しい、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース。
ヴェンダース監督は『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』などの劇映画だけでなく、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』などドキュメンタリーも手掛け、世界各国から高い評価を受けている。
アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。1999年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれであり、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。1993年からは、フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合うこと。彼は、いまなお“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。
本作の制作期間には2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影された。従来の3D映画のような飛び出すような仕掛けではなく、絵画や建築を、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求した。
そしてこの度、本作の日本公開に向けて寄せられたメッセージ動画でヴェンダース監督は「親愛なる日本の観客の皆さま 皆さまが『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』をご覧いただくのを嬉しく思います」「(本作は)冒険であり経験です 違う世界にあなたを連れて行ってくれます」「(本作の)アートを経験して、その巨大さを感じていただければ嬉しいです」「それによって あなたの今が豊かになることを願っています」とコメントした。
映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』は、2024年6月21日(金)より全国順次公開。
戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:アンゼルム・キーファー ダニエル・キーファー アントン・ヴェンダース
配給:アンプラグド
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2024年6月21日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開
公式サイト unpfilm.com/anselm