Feb 06, 2024 news

「ゴミ山からドレスはつくれるか」日本人デザイナー・中里唯馬に密着したドキュメンタリー 映画『燃えるドレスを紡いで』

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パリのオートクチュール・コレクションに日本より唯一参加するファッションブランドYUIMA NAKAZATOのデザイナー中里唯馬に1年密着したリアル・ファッション・ドキュメンタリー、映画『燃えるドレスを紡いで』が公開される。この度、本作の予告映像とポスタービジュアルが公開された。

中里唯馬は、2008年にベルギー・アントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、2009年自身の名を冠したブランド「YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)」を設立。翌年7月、日本人では森英恵以来2人目となるパリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、継続的にパリで作品を発表。コレクション等で、数々の世界で活躍するアーティストともコラボレーションを果たしてきた。

近年は、オランダ出身の気鋭の振付家ナニーヌ・リニングによるボストン・バレエ団の新作バレエ『ラ・メール』の衣装デザインを手がけ、また先日、日本人デザイナーとしては初となるフランスでのソロエキシビションも発表された。

そんな中里とともに異国の地へ渡り、本作の監督を務めたのは、映画、CM、ミュージックビデオ、アートインスタレーション作品などを手掛け、多岐に渡り活躍する関根光才。

映像作家としてキャリアをスタートし、手がけた広告映像作品が国際的なクリエイティブアワードを多数受賞した関根監督は、2018年に初めて長編劇場映画の監督・脚本を担った『生きてるだけで、愛。』で、新人映画監督に贈られる新藤兼人賞・銀賞、などを受賞した。

別の企画で中里と仕事をし意気投合した関根監督は、本作ではアフリカ・ケニアへ同行するとともに、中里のショーの裏側にも密着。普段は見られないクリエイターの葛藤、新しい事への挑戦、チーム一丸となってショーの成功を目指す姿など「中里唯馬」という人物にフォーカスしたドキュメンタリー作品を完成させた。

【コメント】

▼中里唯馬
もともとは別の企画で知り合い意気投合した関根監督から、2年ほど前に世界の実情を一緒に見に行ってその旅をドキュメンタリーにしないか、と提案されたところからはじまりました。結果的に私のショーの舞台裏のすべてにカメラが入るという私にとっても初めての経験になりました。

衣服は何処からやって来て何処へ行くのか。私たちは普段、息をするように、当たり前のように服を着て生活しています。本作を観た方たちが、少し立ち止まって、衣服って何だろう、何で着ているんだろう、そんな風に考えるきっかけになっていただけましたら嬉しいです。そして自分の目の前にある「衣服」の見えてない部分へ、想像力を広げていただけたらもっと嬉しいです。実は見えていないことのほうが大きいと思うので、たどり着く先を本作で垣間見ることにより、服に対する見え方がきっと変わると思います。

▼関根光才(監督)
ゴミという問題は非常に深刻です。でもゴミという概念は人間が作ったもの。自然界にはゴミという概念自体が存在しないからです。ならばゴミとされているものを新しい資源として、より本気で捉えられないだろうか?今回、唯馬さんのパリコレの制作プロセスを追いかける中で、ファッションが抱える大きな社会課題にチャレンジしている画期的な技術が日本にあることも知りました。近しい夢を見ている人々と共創して、ゴミという概念も、服に対する概念も、もしかしたら「何がオシャレでスタイリッシュなのか」ということに対する概念も、違う角度から見れるようになるきっかけになれればというのが今回の作品です。

映画『燃えるドレスを紡いで』は、2024年3月16日(土)より全国順次公開。

作品情報
映画『燃えるドレスを紡いで』

パリのオートクチュール・コレクションに日本から唯一参加するファッションブランドYUIMA NAKAZATOのデザイナー中里唯馬に1年密着したリアル・ファッション・ドキュメンタリー。

監督:関根光才

出演:中里唯馬

配給:ナカチカピクチャーズ

2024年3月16日(土) K’s cinema、シネクイント他全国順次公開

公式サイト dust-to-dust