朝井リョウによる小説『正欲』を、監督・岸善幸、脚本・港岳彦が、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香を迎え映画化する、映画『正欲』。この度本作が、第36回東京国際映画祭コンペティション部門へ正式出品されることが発表された。あわせて、新たな場面写真と、キャストから出品に際してのコメントが公開された。
原作は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年として書き上げた渾身の一作。家庭環境、性的指向、容姿など様々な背景を持つ人たちを描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。
本作は、本映画祭での上映がワールドプレミアとなる。この度、出品決定に際し、メインキャスト陣からコメントも寄せられた。稲垣は「観た後、それぞれ違った感じ方をしていただきたい映画」、新垣は「自分が想像しえない世界は確実にあって、そこにいまも生きている人がいる。それがどういうことなのかを常に考えながら撮影した作品」と、あらためて完成した本作への思いを語っている。
【コメント】
▼稲垣吾郎
観た後、それぞれ違った感じ方をしていただきたい映画になっていると思います。全てに疑問を持ちながら、純粋な気持ちで演技に向き合うことができました。
▼新垣結衣
問われている感覚が、原作を読んだ時から、映画が完成した後もずっとそばにあります。自分が想像しえない世界は確実にあって、そこにいまも生きている人がいる。それがどういうことなのかを常に考えながら撮影した作品でした。
▼磯村勇斗
観終わった後、温かい気持ちになり、自分を大切にしようと思いました。この『正欲』を通して、我々と観て下さった方が「何か」を共有し育み、互いに勇気を持って、一歩でも半歩でも自分の人生を進めていけるようなれたら嬉しいです。
▼佐藤寛太
善く生きるということ。人と共存するということ。人生の意義を考えること。暮らしのなかでは保留することができる答えのない問いが、映画という実態を伴って眼の前に現れました。僕はこの作品を引きずって大人になっていこうと思います。
▼東野絢香
完成された『正欲』は、人間の命がとても美しく描かれた映画でした。上手に息が吸えない私たちに、今を生きるための酸素を送り届けてくれる作品です。この映画が、少しでも多くの方に届く事を、心から願っております。
映画『正欲』は、2023年11月10日(金)より全国ロードショー。
横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。異なる背景を持つ彼らの人生がある事件をきっかけに交差する。
監督:岸善幸
原作:朝井リョウ「正欲」(新潮文庫刊)
出演:稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香
配給:ビターズ・エンド
©2021 朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
2023年11月10日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
公式サイト seiyoku
開催期間:2023年10月23日(月)~11月1日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
◆オープニング作品
『PERFECT DAYS』
監督:ヴィム・ヴェンダース
◆クロージング作品
『ゴジラ-1.0』
監督・脚本・VFX:山崎貴
公式サイト tiff