Feb 22, 2023 news

『銀河鉄道999』のりんたろう監督最新作がワールドプレミア上映!「第1回新潟国際アニメーション映画祭」

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長編アニメーション映画のコンペティション部門をもつアジア最大の祭典である「第1回新潟国際アニメーション映画祭」にて、『銀河鉄道999』や『幻魔大戦』で知られるりんたろう監督の最新作『山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」』がワールドプレミア上映されることが決定した。

本作品は日本映画の黎明期に活躍し、その後28歳の若さで夭折した天才映画監督、山中貞雄が生前に遺した『鼠小僧次郎吉-江戸の巻』をサイレントアニメーション化したもの。フランスを代表する新鋭Miyu Productionsとの共同制作、また、キャラクターデザインには『童夢』、『AKIRA』の大友克洋が参加している。さらに、音楽にはサキソフォーン奏者であり作曲家として活躍する本多俊之(『マルサの女』、『メトロポリス』)、サイレントアニメーションに彩りを添える弁士役を『Dr.スランプ アラレちゃん』則巻アラレ役の声優、小山茉美が務めるなど豪華な布陣が注目を集めている。

【コメント】

■監督:りんたろう
[ ロング ロング アゴー ]
長い顎に無精髭、頭に手ぬぐいを巻き、薄っぺらな下駄履きという風貌でサイレントからトーキー時代の映画界を28歳という若さで駆け抜けて逝った映画監督・山中貞雄。その名前を知ったのは私が石ノ森章太郎『佐武と市捕物控』のTVアニメ作品を作っていたときだった。

初の時代劇アニメということでサイレント時代から活躍していた松田定次監督が監修としてアフレコに立ち会っていた。その松田氏から山中貞雄という監督の素晴らしさを聞かされたが作品を観る機会もないまま歳月が過ぎたころ、銀座の雑居ビルの地下にある並木座という名画座で山中貞雄監督作品『人情紙風船』に出会った。全編観る者に重苦しく迫ってくる悲壮感が漂う映画だったが、その物語を象徴するような紙風船が淡い光を帯びながら路地のどぶ川をゆっくりと流れ去っていく儚いラストシーンに心揺さぶられたまま映画館を出たことを今でも覚えている。

その後VHSやDVDが出たことで『丹下左膳 百萬両の壺』『河内山宗俊』を観ることができた。『丹下左膳 百萬両の壺』の軽妙洒脱な現代的なタッチで簡潔にまとめ上げた手腕に脱帽し、『河内山宗俊』の微に入り細にわたった山中のモダンな絵作りと人物造形の巧みさにどっぷりハマってしまった。

一方ノートの隅っこにパラパラ漫画を描いたり戯画を描いたりしていた山中の一面を知ったとき、仲間内からロングロングアゴーと呼ばれた長い顎と無精髭の人間・山中貞雄が一層好きになりいまに至っている。ここに企画した短編アニメは山中貞雄脚本の『鼠小僧次郎吉-江戸の巻』を基に私たちチームが捧げる映画監督・山中貞雄へのささやかなオマージュです。戦地で書き残した日誌に「人情紙風船が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ」と記した山中さんに私たちの作品を届けることができればチト嬉しいのです。
By りんたろう

「第1回新潟国際アニメーション映画祭」は、3月17日(金)~3月22日(水)に開催。

イベント情報
「第1回新潟国際アニメーション映画祭」

主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会

企画制作:ユーロスペース+ジェンコ   

上映会場:新潟市⺠プラザ、T・ジョイ新潟万代、シネウィンド、クロスパル新潟  

イベント会場:新潟日報メディアシップ、古町ルフル広場、新潟大学駅南キャンパスときめいと

FORUM会場:開志専門職大学

開催期間:2023年3月17日(金)~3月22日(水)     

公式サイト niigata-iaff.net