【コメント全文】
▼唐田えりか
今回、韓国人の役を初めて演じさせていただき、韓国語の発音など、準備の段階から新しく挑戦することがたくさんありました。ジヒョンは、自分の出生に隠された事実を知り、「自分は誰なのか」「家族とは何なのか」と向き合っていきます。私自身も「自分だったらどうするだろう」と考えながら演じました。菜々子とジヒョンが、それぞれ答えを探していく姿を、ぜひ見届けていただけたら嬉しいです。
▼知英
私が演じた菜々子は、日本で生まれ育ったけれど、実はDNAは韓国人だった女の子です。自分は本当はどこにいるべきなのか、そして、何が自分自身をつくっているのか──さまざまな葛藤を抱えています。演じていく中で、菜々子にとって、唐田さん演じるジヒョンとの出会いは、「もう一つの家族」に出会うことでもあるんだと感じました。そこで起きてしまった出来事は悲しいけれど、その出来事があったからこそ生まれた出会いもある。そんな二人の物語を、ぜひ劇場で見届けていただけたら嬉しいです。
▼谷村志穂(原作者)
医療は日進月歩、そこには人間の叡智、努力、野心、患者を救いたいという願い、多くの医療従事者の思いが込められています。そして、人間が行う営みには、必ずと言っていいほど、過ちも生じます。小説「過怠」では、この作品のテーマである一つの、許されない過ちに、医療の側からアプローチしていきました。一方映画では、主人公たちの「この先どう生きていくか」が、丁寧に描かれている。脚本家の鈴木すみれさんが、主人公たちと同年代の瑞々しい感性を生かし、山本英監督が選ばれた色彩や陰影には、映画ならではの魅力がありました。主人公たちのこれからの幸せを、誰もが祈り、応援したくなる作品ではないでしょうか。
▼山本英(監督)
谷村志穂先生の「過怠」を読ませていただいた時、物語ももちろんですがそこに描かれる人々の機微がとても美しかったことをよく覚えています。生活の中から漏れ出る、その人の痕跡のようなもの。映画でもその美しさを描いていけるよう素晴らしいキャスト、スタッフの皆さまに囲まれながら一緒に努めていきました。韓国と日本、二つの国を通して運命が入れ替わってしまうのですが、そのことにより現代に生きる私たちが感じる国としての遠さをより実感しながら撮影していきました。

日本の大学に留学している韓国人のジヒョンは、知的で芯の強い女性。異国の地で新たな人生を歩みながら、心の奥底には言葉にできない思いを抱えていた。そんな中、自分とは対照的な快活で社交的な菜々子と出会い、次第に心を通わせ、かけがえのない友人となっていく。一方、医学を学びながら、自らの未来を見つめていた菜々子だったが、母との関係にはどこか埋められない距離を感じていた。そんな彼女のもとに、ある日、自分自身の出生にまつわる思いもよらない事実が浮かび上がる。それは、最先端の生殖医療をめぐる、ひとつの“過ち”から始まったものだった。
監督:山本英
原作:谷村志穂「過怠」(光文社 刊)
出演:唐田えりか、知英
配給:NAKACHIKA/フライフリーエンターテイメント
©2027映画「過怠」製作委員会
2027年2月5日(金) 全国公開