May 12, 2018 interview

声優・田中真弓が語る 『ドラゴンボール』が30年以上続く中で各キャラと作り上げた型

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古川

「魔貫光殺砲!」とか、技名を叫ぶところはそう書いてあるけど、そうじゃないところでは書いてないことも多いかな。

平野

でも、攻撃を当てている時と、当てられている時では、発する言葉も変わっているわよね? そういうのは、映像を見ながら自然に出てくるものなの?

田中

昔は、そうやってた。でも、バトルシーンって、ものすごく映像が速いじゃない? だんだん、目がついていかなくなっちゃって……。

平野

……分かります(笑)。

田中

『ドラゴンボール』の現場では「アテレコ介護」って言葉がありまして、私は今、レベル5なんですけど(笑)。若い介護人がそばについて「今、ここでケリが入りました」「その次はパンチです」とか、教えてくれるんですよ。

古川

「今、1カット速かったですよ」とかね(笑)。

平野

そんな『ドラゴンボール』で、真弓さんが気に入っているシーンはどこ?

田中

『ONE PIECE』のお気に入りシーンともかぶってきちゃうんだけど、クリリンが最初に死んだとき(『ドラゴンボール』第101話「武道会終了! そして…!!」)、その直前の笑顔が今でも忘れられないですね。2回目、フリーザに殺された時は「悟空ーーーッ!!」って叫びながら死ぬんですが(『ドラゴンボールZ』第95話「ついに変身!! 伝説の超サイヤ人・孫悟空」)、それよりも笑顔で死なれる方が残りますね。

古川

クリリンは照れ笑いが良いよね。実は謙虚なキャラクターなんだよ。

田中

クリリンって幸せなキャラクターですよね。ちゃんとした家庭も持ったし。自分の分をわきまえているし。自分が悟空やベジータやピッコロほど強くないということも分かっているし、どっかで戦いよりも家庭を大事にしたいという気持ちもあるし。そういうのがとても人間的で好きです。クリリンに愛された18号は幸せ者ですよ。

平野

そういう「男の生理」的なものを、どうして真弓さんは分かっちゃうのかしらね。

田中

……やっぱりクリリンに抱かれたいのかな(笑)。