May 12, 2018 interview

声優・田中真弓が語る 『ドラゴンボール』が30年以上続く中で各キャラと作り上げた型

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田中

声質は大きいですよね。私が若い女性の声を出せないように、少年の声を出せない人がいるのは分かります。

平野

そして、なによりセンス。私は真弓さんの少年役を聴くたびに「どうしてこんなにも媚びることなく、サラリと自然に、少年という役を演じることが出来るんだろう」って不思議を通り越して感服しちゃうの。だって、少年と少女って全然整理が違うわけじゃない?

田中

実は、同じことを小学生向けの教材のインタビューで聞かれたことがありました。「田中さんは、どうしてそんなに素敵な男の子の声を演じられるんですか?」って。

古川

なんて答えたの?

田中

ストレートに「こういう男に抱かれたいと思ってやっています」って答えたら、「それは載せられません」って言われちゃった(笑)。

平野

それは書けません(笑)。

田中

そうしたら、ライターさんってすごいのよね。「すてきな男の子の役をやるときには、自分にとっての理想の男性をイメージして表現するんです。女性としての自分の思いをそこにこめるんです」って、きれいに意訳してくれて(笑)。

古川

これなら子供が読んでも大丈夫(笑)。

 

30年以上の蓄積が醸し出す『ドラゴンボール』の様式美

 

平野

だいぶ話が逸れてしまったので、アニメの話に戻しましょう。続いては、『ドラゴンボール』のクリリン役について聞かせてください。『ドラゴンボール』(1986年)では、真弓さんはどういう心構えで収録に臨んでいるんですか?

田中

『ドラゴンボール』シリーズはバトルものでしょ? 日常的な会話をするというお芝居ではないんです。そして、その中に“様式美”があるんですよ。何十年も長く続いてきた中で、悟空の、ベジータの、それぞれの“型”が生まれていて……。だから、もし、この先、声優の代替わりがあったとしても、後継者はそれを守らねばなりません。そういう「伝統芸能」みたいなところがあると思います。

古川

そうだね。自分もそうだけど、周りのみんなの演技を見ていても、そういうものがピシッとあるなと感じる。かけ声みたいな短いセリフでも、きちんと様式美があるので、緊張するよ。

平野

そういう様式美っていうのはどういうところから生まれてくるんでしょう。やっぱりアドリブとかの積み重ねから?

古川

ベジータなんかは、堀川亮さんのアドリブがかなり強く入ってきてるよね。知ってる? アニメのベジータの二人称は「貴様」なんだけど、あれは原作にはない、堀川さんのオリジナルなんですよ。それが良いって評価されて、今までずっと続いているんです。

平野

クリリンでそういったものはありますか?

田中

クリリンにそういうエピソードはないかなぁ……あ、でもヤジロベーではありますね。ヤジロベーは、原作でクリリンに声が似てるって書かれていたことから私が担当することになったんだけど、二人が会話するシーンがイジメかってくらい大変で(笑)。

古川

初めて登場したのはクリリンが死んでいる時だったから良かったけど、その後、クリリンが生き返っちゃったからね。

田中

困った事に、マコさんが悟空、悟飯、悟天の一人三役を同時にこなしちゃってるものだから、スタッフがそういうものだと思い込んじゃうのよね。それでなんとか演じ分けようとして、ヤジロベーが名古屋弁っぽく喋るようになっていったっていうのはあります。

平野

あと、『ドラゴンボール』で個人的に気になっているのが、戦いのシーンのかけ声。「ハッ!」とか「ヤッ!」とか、ああいうのは台本に書かれているんですか?

 

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