Oct 19, 2017 interview

僕は現役の中2病です『斉木楠雄のΨ難』吉沢亮インタビュー

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今でも“霊弾”打てるかも、と思う瞬間があります(笑)。

 

──海藤瞬(かいとう しゅん)は瞬間移動、斉木楠雄(さいき くすお)はサイキック、照橋心美(てるはし ここみ)はテレパシーと、登場人物それぞれ名前に由来した超能力の持ち主ですが、もし1個だけ超能力を使えるとしたら、誰のどんな能力が欲しいですか?

やっぱり瞬間移動じゃないですか。あ、でも旅行や休みの日にどこかへ出かけるときに使ってしまうと楽しみが失われちゃうので、仕事現場へ移動するときにだけ使いたいですね。その浮いた時間は、睡眠か、部屋でマンガを読む時間に充てます。

──普段からそういうことを想像する方ですか? ご自身のことを中2病かもしれない、とおっしゃっていただけに気になります。

自分だけの世界を妄想して、その世界に浸るっていうのは誰しも経験があるんじゃないですかね。僕も小中高とずっとそんな感じですし、今でも酔っていたりすると“霊弾(レイガン/『幽遊白書』で主人公の浦飯幽助が放つ技)出せるんじゃないかなって考えたりもしますし(笑)。何か大きな使命を背負わされている少年マンガのヒーローへの憧れは持ち続けています。

 

 

──中2病というのは、得てして大人になり目が覚めると思い出すのも恥ずかしい“黒歴史”となりがちですが、吉沢さんにも黒歴史があるんでしょうか。

いっぱいありますけど、外には出していないんです。だからあまりバレていないと思います。心の中であれこれ思う陰湿なタイプだったので(笑)、思い切り外へ出せる海藤が余計に愛しかったし、演じていて最高に楽しかったんです。

──お芝居の中で“笑い”を表現することは、非常に難しいことだと良く役者さんの口から伺いますが、吉沢さんはコメディや喜劇を演じることに対してどんな思いを抱いていますか?

福田組に関してはコメディというよりも、コントやギャグに近いので、振り切ったもの勝ちだと思うのですが、コメディは間(ま)の取り方、ツッコミを入れる速度、ボケるタイミング、テンション、声の出し方、それらすべてが噛み合っていないとおもしろいものが全然笑えない、なんていう結果になってしまったりもする。会話劇だと尚更難しくて、余計なことをすればするほどつまらなくなってしまうこともあるので、芝居の中でコメディが一番難しいんだろうな、と思います。僕自身、お笑い芸人さんが大好きなのでTVや動画もよくチェックしていますが、見れば見るほど“笑い”って難しいな、と感じることもしばしば。技術的にも知らなければいけないこともまだまだあるので、またチャンスがあればコメディにも挑戦してみたいな、と思います。

 

 

──最後に、マンガ好きで知られている吉沢さんのとっておきの1冊を伺えますか?

「BANANA FISH」です。新しいマンガに出会いたくて検索していたら、この作品がオススメされているのを見つけて、すぐに買ってみたんです。最初は少女マンガだしな、と思いながらなんとなく読み始めたら、瞬く間にハマってしまいました。何より、主人公のアッシュがかっこよくて。すぐに、少女マンガだからと先入観を持ってしまった自分を反省したくらいです。アッシュはもちろん、他の登場人物も魅力的で、“バナナフィッシュ”を巡る展開にもワクワクされっぱなしでした。

──もし実写映画化されるとしたら、やはりアッシュ役に立候補したいですか?

そりゃあ、あんなに魅力的な人物の役、出来るものなら演じさせていただきたいですよ。でも、絶対に僕には回ってこないだろうな〜(笑)。去年から今年、来年にかけて、マンガ原作の映画にキャスティングしてもらう機会が増えて、マンガ好きの自分としてはうれしいです。どの役も方向性が全く違うので、演じていて楽しいですし。今は自分で幅を限定せず、いただいた役を全うしていきたいな、という気持ちです。

 

 

取材・文 / 加藤蛍
撮影 / 大川晋児

 

 

プロフィール

 

吉沢亮

1994年生まれ、東京都出身。2011年に「仮面ライダーフォーゼ」にて朔田流星/仮面ライダーメテオ役を演じ、脚光を浴びる。その後も着実にキャリアを重ね2017年には主演映画「トモダチゲーム」が公開。ヒットを記録した映画「銀魂」でも印象的な役を務める。2018年公開予定の出演映画に「リバーズ・エッジ」、「悪と仮面のルール」、「あのコの、トリコ。」、「ママレード・ボーイ」、「レオン」などがある。

 

作品紹介

 

『斉木楠雄のΨ難』

テレパシーやサイコキネシス、透視、テレポートなど多彩な超能力を持つ斉木楠雄は、ごく普通の男子高校生として生きることを何よりも願い、その才能をあらゆる方法で隠して高校生活を送っている。しかし彼の周りは、斉木へ思いを寄せる妄想力のたくましい美少女や、斉木の力をもってしてでも思考を読めないほどのバカや、重度の中二病など、変人ばかりが集まっている。毎年恒例の一大イベントである文化祭を迎え、様々な出来事に巻き込まれた楠雄に信じられないほどの災難が次々とふりかかり、なぜか地球滅亡の危機に見舞われることとなる。

原作:「斉木楠雄のΨ難」(麻生周一/集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
脚本・監督:福田雄一
出演:山﨑賢人 橋本環奈 新井浩文 吉沢亮 笠原秀幸/賀来賢人 ムロツヨシ 佐藤二朗 内田有紀 田辺誠一
2017年10月21日(土)ロードショー
(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会
公式サイト:saikikusuo-movie.jp

 

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原作紹介

 

「斉木楠雄のΨ難」麻生周一/集英社「週刊少年ジャンプ」

彼の名前は斉木楠雄、超能力者である。テレパシー、サイコキネシス、透視、テレポートなどあらゆる能力を持ち、すべての能力を駆使すれば3日で人類を滅亡させられるほどの強いパワーの持ち主。しかし、平穏に暮らしたい本人にとっては災難を呼ぶ不幸の元凶である。故に人前では力を封印するために制御装置を頭に付け、周りの人をマインドコントロールすることで目立たず、人と関わらずを心掛けてきた。しかし、高校ではワケありの同級生達が急接近してきて、斉木楠雄の災難の日々が始まっていく。

 

吉沢亮さんおススメ本

 

「バナナフィッシュ」吉田秋生/小学館

ニューヨーク・スラム街でストリートキッズを統括するアッシュ・リンクスは、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争中に麻薬によって正気を失ったままの兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じ言葉を聞き、興味を抱く。偶然ストリートキッズの取材に来ていた日本人青年・英二と共に謎の言葉「バナナフィッシュ」を追う内に、マフィア、国家をも動かす大きな野望の渦に巻き込まれていく。