Mar 24, 2017 interview

「原作と作品をつなぐ触媒でありたい」映画『PとJK』土屋太鳳インタビュー

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功太くんのギャップに、思わずキュンとしちゃいました

 

──カコと功太には女子高生と警察官という立場上のハードルがあって、新婚生活も秘密だらけですが、みんなに内緒だからこそのドキドキ感や、キュンとしてしまうようなシーンもたくさんありました。特にお気に入りのシーンは?

功太くんの制服をこっそりギュッとするシーンは、きっとキュンとしていただけるんじゃないかな、と。あとは、“本当の功太くんはどこにいるの?”と言って功太くんに問いかける場面があるのですが、ずっと大人としてカコちゃんに接してきた功太くんが、ちょっと子供に戻ったような顔をするんです。ただかっこいいだけではない表情に、私も完成した作品を見てキュンとしてしまいました。

 

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──10個の年齢差のある2人ですが、あの場面では関係性が逆転しているように映りますよね。

そうなんです。カコちゃんって、自覚はないだろうけどとても母性の強い女の子だから、迷っている功太くんを見て守ってあげたい気持ちになっちゃったのかなと解釈しました。普段は柔らかくてかわいらしいカコちゃんという女の子の、内側に秘めた強さや芯のある部分が伝わったらいいな、と。監督も、“制服を脱いだら一人の男性と女性だから、その関係性を人間らしく描きたい”とおっしゃっていたので。

 

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──今作で監督を務めた廣木隆一さんとは、二度目のタッグになりますよね。

はい。以前、『炎』という短編ドラマの現場でご一緒したのですが、たった5日間の撮影だったのに、とてつもなく長い時間だったように感じるくらい密度が濃くて。ぜひまたご一緒する機会があればいいなと願っていたので、とても光栄でした。廣木監督の現場は独特で、『カコ、いいか?』と聞かれて、私が『はい』と答えてからシーンを始めてくださったりすることが多いんです。今作でも重いシーンが続いたときに、泣くシーンで私の涙が止まってしまったことがありました。そしたら監督は私を外へ連れ出してくれて、『集中してよくやってくれていると思う。なかなか難しいとは思うけど、がんばれるか?』って。『はい、がんばります』と答えて、再びお芝居へ向かう準備をしていたら、監督は私の準備ができたのを察知して、スタッフさんの方へ走り、『カメラ回して!』って指示を飛ばしているのが目に入って。私が土屋太鳳としても、カコちゃんとしても、ゆっくり呼吸をする時間を作ってくださるんです。そんな監督の姿や、ずっと支えてくださるスタッフさんの姿を目にしたら自然と涙が溢れてきて、無事に難しいシーンを撮り終えることができました。

──皆さんの支え合ってのカコだったんですね。

本当に。みなさんが支えてくださっているからカメラの前に立っているのだな、と。こうしよう、ああしようと頭で考える前に、自然と気持ちが溢れ出た瞬間でした。