Feb 26, 2022 interview

映画業界を目指す人たちへ NCW主宰 武藤起一×フラッグ代表 久保浩章が語る 映画を作り伝えることの大切さ

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大学生が起業して映画ビジネスを始めるには?

池ノ辺 そんな時期に、NCWに生徒としてやって来たのが久保さんなんですね。だから今日は、フラッグの社長だけじゃなくてNCW時代の体験もうかがいたいと思います。久保さんは、子どもの頃から映画は観ていたんですか?

久保 私は四国の徳島出身なんですが、映画館が全然なかったんですよ。県内に6館ぐらいですかね。映画館にも行きましたけど、レンタルビデオだったり、テレビの映画番組を映画好きだったおばあちゃんが毎回録画していて、それを一緒に観ていましたね。それこそ『タワーリング・インフェルノ』や『特攻野郎Aチーム』は何十回も観て。そういうことを小さい頃からやっていましたが、めちゃめちゃ映画青年ってわけではなかったですね。私は上京してきたのが1998年なんですが、渋谷には驚くほど映画館があって、ものすごい数の映画をやっている。これにまずびっくりしました。

池ノ辺 地方にいるとわかんないですよね。それこそ、あの頃の渋谷はミニシアターがいっぱいあって、朝から夜まで新作も旧作も数えきれないぐらい上映してましたよね。大学は東大でしたよね。

久保 そうです。1、2年生は駒場のキャンパスに通うんです。渋谷から2駅だし、バイト先も渋谷のマクドナルドだったりしたので、シネマライズ、シネセゾンとか、渋谷のミニシアターにちょくちょく通い始めたんですね。当時って、ああいうところで映画を観るのって、ちょっとお洒落な感じが‥‥。

池ノ辺 そう。カッコいいって感覚でしたよね。

久保 カッコつけて観に行って、今ひとつ何が何やらよくわからないっていう(笑)。それでも難しい映画を、ちょっと背伸びして観たりしていましたね。

池ノ辺 そういう学生時代を送りながら、在学中に今のフラッグを立ち上げたんですね。

久保 ちょうど学生企業が出始めた頃なんです。ちょっと上だと、例えば堀江(貴文)さんも大学の先輩でフラッグを創業する4年ぐらい前に起業されていました。知り合いの先輩も会社を作るみたいな話を聞いて、そういう手があるなと思ったんです。会社を作るって決めたのは、既定路線に乗るのが嫌だったんですね。就活をやるとか、なにか試験を受けて役人になるとか、そういうのはとにかくダメだと。大人の引いたルールに乗っかるのは嫌だと。

池ノ辺 アウトローの道を選んだわけですね(笑)。

久保 ITビジネスをやりたいかって言われると、別にそうでもない。とにかく会社を作る。それで何をやろうかなって思ったら、映画を観るのが好きだったので、映画に関するビジネスをやるのが面白いかもって思ったんです。ただ、何からやっていいかわからないですよね。

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池ノ辺 やりたいことを見つけてから会社を作るんじゃないんですか? 

久保 順番が逆なんです(笑)。2001年の3月に、とりあえず会社を立ち上げたんですが、作ったはいいけど業界のことがわからないので、どうしようかなといろいろ調べてみると、NCWSに[みせる]という配給宣伝を学べるコースがあったので、これが良いんじゃないと思って通い始めたんです。

池ノ辺 その時に、武藤さんとも知り合うわけですね。実際に通ってみてどうでしたか?

久保 もちろん学んだことも大きいんですが、業界の一線でやってらっしゃる講師の方々と仲良くなったことが大きいですね。今はコロナなので難しいですけど、当時だとレクチャーが終わった後に、NCWの近くの居酒屋でよく飲んでいました。そこから、「ちょっと仕事を手伝わない?」みたいなことになったり、「うちの会社に来いよ」って言われることもありました。

池ノ辺 でも、久保さんはその時にもう社長だから無理ですね(笑)。

久保 「すいません、会社立ち上げたばかりなので」「えっ?何の会社?」「何をするかこれからですけど」みたいな(笑)。でも、そこで出会いができたりとか、一緒に受講していた人たちが業界に入ってくるんですよね。気が付いたらNCW同期のあの人は、あそこの会社に行ってる、あの人はあそこみたいな感じになって。それが後に仕事へつながっていったというのが結構ありましたね。