Feb 26, 2022 interview

映画業界を目指す人たちへ NCW主宰 武藤起一×フラッグ代表 久保浩章が語る 映画を作り伝えることの大切さ

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池ノ辺 映画祭や映画のプロデュースはPFFをやっていらしたから分かるんですが、映画を教える学校って、意外な感じがします。

武藤 実はPFFの時代に、「ぴあ」がそういう学校を作ってみようかみたいな動きがあったんです。

武藤 それで私はいろいろ調べてNYU(ニューヨーク大学)とか実際に視察したりしてたんです。結局、それは実現しなかったんですが、フリーになった後の95年ぐらいに池袋コミュニティ・カレッジという西武がやっているカルチャースクールで、映画を教えるということを始めたんです。

池ノ辺 それは撮影から始めて、宣伝までやるような内容だったんですか?

武藤 実はそこがポイントだったんですけど、作ることもやりつつ、配給宣伝みたいなこともちょっと教える内容だったんです。そうしたら結構生徒が集まって。ただ、そこは3か月とか本当に短いカルチャースクールなので、十分なことを教えることもできなかった。

池ノ辺 3か月で作るところから公開まで教えようと思っても、すごく短いですよね。

武藤 そう思っていたときに、竹平(時夫)という昔からの知り合いがいるんですけども、彼から、こういう物件があるという話があって。

池ノ辺 それが今、NCWがある早稲田のビルですか?

武藤 今の場所じゃなくて、同じ早稲田に最初の場所があったんです。私が何かやりたがっていたことを知っていたみたいで、物件を紹介されたわけです。じゃあ、ここで学校を始めてみようということで、彼が初代の代表取締役になって1997年からNCWを始めたわけです。

池ノ辺 映画を教える学校は、当時から日本映画学校もあったし、日大の映画学科なんかもありましたよね。映画美学校も1997年に開校しています。

武藤 だから、うちはそれと同じことをやっても仕方ない。そこで私が考えたのは、監督を目指すうえで、[つくる]ことはもちろんですが、もう一つ、[みせる]っていうこともやりたい。つまり配給や宣伝です。