Feb 03, 2018 interview

笠井信輔アナウンサーがアカデミー賞を語る!『シェイプ・オブ・ウォーター』は女性ライターが号泣しちゃってた。

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池ノ辺

何と何が接戦なんですか?

 

笠井

全部が。

良い作品はあるんだけど、抜きん出ている作品は少ない。

『シェイプ・オブ・ウォーター』は13部門で確かに抜きん出ているけれども、これまでもあるように、最多ノミネートの作品が作品賞を獲るかと言うと、そうでもないわけ。

 

池ノ辺

そうなんですよね。

 

笠井

逆にノミネートが多いと外れる可能性も高かったりする。

『シェイプ・オブ・ウォーター』に関しては、私は自信を失くしてしまうんですよ。

 

池ノ辺

何に自信を失くすんですか?

 

笠井

半魚人とヒロインの純愛という話で、50年代、60年代のホラー映画を思わせる部分があったり、それこそ東宝特撮や円谷英二の日本テイスト的なものもあって、とても面白かった。

色使いから何から本当に凝っているしね。

しかも、半魚人がCGかと思いきや、どうもこれは非常に精巧に出来た着ぐるみで、それが愛を成立させている。

CGだったら、この愛はたぶん成立しない。

東宝の特撮のような着ぐるみにこだわったことに、監督のギレルモ・デル・トロの日本の特撮愛みたいなものが息づいていて、すごく良いの。

私、月刊誌「ESSE」の映画紹介コーナーを15年以上担当してるんですけど、担当の女性ライターと一緒に観たら、彼女、号泣しちゃって。

 

 

 

池ノ辺

そりゃ号泣しますよ。

 

笠井

他にも女性たちがけっこう泣いていたんだけど、僕は泣かなかったんですよ。

良いなと思ったけど、泣きそびれちゃった。

それが何故なのか分からない。

正直言って、『シザーハンズ』『美女と野獣』みたいなモンスターと女性の純愛映画って、女性がハマることが多んです。

 

池ノ辺

ハマりました、私。

 

笠井

つまり、「顔じゃないよ、心だよ」というね。

そこの部分でみんな感情移入していたけど、私は半魚人の立場なわけよ。

いや半魚人がこんな女の子とつきあえちゃうのか、みたいな部分もちょっとあったりして(笑)。

なんかね、この映画に対して正しい感動を得られていないなと。

そういう時に自分はやっぱり映画の見方がまだまだだなと思うんですよ。

 

池ノ辺

えっ、それってまだまだなの?

 

笠井

だって13部門もノミネートされて、非常に評価を与えられているものに対して、なんとなく乗りそびれちゃったなっていう時に自分の感性を疑ったりしません?

 

池ノ辺

私はそういう時があっても悩まないけど(笑)。

この映画の予告を作った時に、延々とこの映像を観られるのが幸せでした。

 

笠井

それは分かる。

画に関してはとても強い。

 

池ノ辺

繰り返し観ても、色んな発想がどんどん膨らんでいく映画だったんです。

予告編のナレーターも素敵な声の方にして、ハートを掴みたいと思って役者の高橋和也にしたんです。

それがすごく良かった。

久しぶりに予告編を作りながら恋をした作品でした。

 

笠井

さて、これがどこまで行くのかは注目なんだけれども、ただやっぱり、僕の予想では最多ノミネートというところで意外と留まるのかなという感じがするんですよ。

いい作品だし、面白いけれどもね。

 

池ノ辺

そうすると何が獲るんでしょうね。

では、次回は笠井さんにアカデミー賞の予想をしていただきますね。

 

(文:モルモット吉田 / 写真:根田拓也)

 


 

©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

映画『スリー・ビルボード』

本年度アカデミー賞®最有力作品。舞台は、アメリカのミズーリ州。田舎町を貫く道路に並ぶ3枚の広告看板に、地元警察を批判するメッセージを出したのは、7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッド・ヘイズ。何の進展もない捜査状況に腹を立てたミルドレッドがケンカを売ったのだ。町の人々から嫌がらせや抗議を受けても、一歩も引かないミルドレッド。その日を境に次々と不穏な事件が起こり始め、町に激震が走るなか、思いがけない展開が待ち受ける──。
アカデミー賞®受賞の実力派スタッフ&キャストの会心のコラボレーションで放つ、世界が待ち望んだ、これぞ重量級の本物の映画。ミルドレッドに扮するのは、アカデミー賞®に4度ノミネートされ、『ファーゴ』で主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンド。

各々の大切なものを守るために、予想もしない道へと外れていく大人たちをダークなユーモアを潜ませて熱く切なく描き、観る者を途方もない結末へと連れ去るクライム・サスペンス。

監督・脚本:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド、ジョン・ホークス、ルーカス・ヘッジズ ほか

配給:20世紀フォックス映画

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/

 


 

© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』

第90回アカデミー賞®最多13部門ノミネート。『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督が贈る切なくも愛おしい、誰も観たことのない究極のファンタジー・ロマンス。声を失くした孤独なイライザと、遠い海から連れて来られた“彼”。冷戦下のアメリカで、種族を超えた恋に落ちる二人だが、国家の行方を握る“彼”に危険が迫る─。

『パンズ・ラビリンス』の名匠ギレルモ・デル・トロ監督の比類なき世界観が、本年度ベネチア国際映画祭でも審査員のみならず観客も魅了。最高賞:金獅子賞に、満場一致で輝いた。

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ ほか

配給:20世紀フォックス映画

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/

 


 

PROFILE

■笠井信輔(かさいしんすけ)

株式会社フジテレビジョン
編成局アナウンス室ゼネラルアナウンサー

1963年東京都世田谷区生まれ。87年株式会社フジテレビジョンに入社。入社以来「タイム3」をはじめとしたワイドショーや「今夜は好奇心」「ザ・ウィーク」「めざましテレビ」といった情報番組を担当後、夕方6時のニュース番組「ザ・ヒューマン」のキャスターを務め、「ナイスデイ」司会を経て、現在は「とくダネ!」ニュースデスク。
映画担当アナのため、中学時代からの映画マニアぶり(年間新作鑑賞140本以上)をいかんなく発揮。映画関連の著書や連載なども行っている。
担当番組…「とくダネ!」(月~金 朝8時~9時54分)/ 「男おばさん」(CS放送 フジテレビONE TWO 日本映画専門チャンネル)

池ノ辺直子

予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表/映像ディレクター。

フリー後「池ノ辺事務所」を設立。
10周年を記念して、バカばっかりの職人集団の意味で 株式会社バカ・ザ・バッカに社名変更し、代表取締役社長に。
今年で創立31周年を迎える。

2004年マックスファクタービューティースピリット受賞。 著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 イマジカBS審議委員 ニューシネマワークショップ講師。 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」の運営もしている

これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』 『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』 『マディソン郡の橋』『トップガン」『博士と彼女のセオリー』 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』 『ドリーム』『僕のワンダフル・ライフ』ほか1100本以上。

最新版は、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』、『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』。

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