ドラマでは怪我しないわけ
──去年の銀杏BOYZの武道館ライブ(10月13日)で小説発売決定というチラシが入っていて楽しみだったんですが、この企画はいつ頃生まれたものですか?
岡田 本格的に動いたのは、朝ドラ(連続テレビ小説)『ひよっこ』が終わってくらいからでしょうか。
峯田 武道館のときチラシが配っていたの?
岡田 公表しちゃったからそこから頑張りましたよ(笑)。
──『ひよっこ』といえば、台風のせいで、峯田さんが『あさイチ』に何度も出られないことがありました。
岡田 あったね。
峯田 あったね。
岡田 結局V(VTR出演)だったんだっけ?
峯田 はい。去年ですよね。台風のニュースが入って、生放送が2度飛んで、3回目でやっと出ました。
岡田 ちょうど去年の今頃(7月)ですね。なつかしいなあ。
──峯田さんは『ひよっこ』でいろいろ大活躍でしたが、田植えのでんぐり返しが印象的でした。ああいう動きは脚本に書いてあるんですか?
岡田 でんぐり返しに関しては、ただ田んぼでドロドロになるとは描きましたが、どう回転するかとか具体的には書いてないですね。映像を見て、すげえ回ったなと思いましたけど(笑)。
峯田 ははは。岡田さんが見て喜んでくれるかなあって、その一心でいかに派手にするか考えているんです。
岡田 時々心配になるよ、怪我しないかなって。
峯田 撮影ではほんと怪我しないんですよ。
岡田 『奇跡の人』のときの転び方とかも、すごかった。
峯田 あのときも全然怪我しなかったです。
──ライブでは怪我しちゃうんですか?
峯田 たまに。一回くらいは。
岡田 ライブのステージには危ないものいっぱいあるものね。
峯田 暗いし。ライブと違って、撮影のときはすごく冷静なんですよね。
岡田 そうなんだ。
峯田 勢いでやっていることもあるんですが、どこかですごく冷静なところがあって。撮影では本番の前にリハーサルがあるんですよ。段取りとカメラテストと本番の3回できるんで、まず一回軽めにやってみて、ああ、ここに突起物があるから気をつけようとか自分の中で把握できるんです。でもライブは一発じゃないですか。
岡田 うんうんうん。
峯田 だから。
岡田 なるほどね。練習ができるんだね。
峯田 配置を覚えて、怪我しないように。
岡田 なるほどー。
好きな人に会えて、好きな人と仕事できるって嬉しい
──『奇跡の人』のときは子役の子に真剣に向き合い過ぎてテーブルに乗っかる場面がありましたが、それは脚本に書いてありますか。
岡田 そこの動きまで考えてないと思うなあ。
峯田 演出の狩山俊輔さんなどがすごく台本を読み込んでいて、ここをこうしたほうがいいんじゃないかとか、けっこう意見をぶつけながらやっていました。
岡田 海ちゃん(住田萌乃)との一連のシーンは凄まじかった。書いたものを何倍にもしてもらえると脚本家としては嬉しいですよ。
峯田 どれだけ面白くできるかって考えますね。ここふつうにやっても、喜ばれないよなあって。
──そういう峯田さんだからこそ最近俳優としても活躍の場が広がっているのでしょうけれど、自分以外の作品にどんどんいってしまうのはどうですか?
岡田 気にならないと言ったら嘘ですけれど、それは仕方のないことですよね。大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の宮藤官九郎さんは、もともと『アイデン&ティティ』(03年)や『少年メリケンサック』(09年)で峯田君とやっていたからそれはそうだろって。今度の野島伸司さんのドラマは、来たか〜って思いましたけど(笑)。野島さんは僕より年齢は下だけど脚本家としては先輩なんですよ。野島さんも坂元裕二さんも若くしてデビューしているからちょっと不思議な感じなんです。
峯田 野島さんは会う前に想像していた通りの人でした。僕は高校時代、岡田さんや野島さんのドラマを見ていたんですよ。岡田さんの『南くんの恋人』がとりわけ好きだった。そういう人と、自分が大人になってから仕事できるのは嬉しいですね。