Jun 23, 2018

インタビュー

【岡田惠和&峯田和伸 ロングインタビュー】大人の遊びを楽しみたい

──ドラマを見る人だったんですね。

峯田 そこそこ見てました。映画もドラマも。

──俳優になるとは思っていました?

峯田 見るのは好きですけど、絶対出たくなかったです。

岡田 不思議だよね。

峯田 ほんと感謝しています。

岡田 いえいえ。

峯田 好きな人に会えて、好きな人と仕事できるって嬉しいですよね。ほんとは一緒に遊びたいですけど。大人同士が遊ぶっていうと、一緒にお酒を飲んだりするようなことが主となるようなイメージで、それはそれであっていいと思いますが、僕は一緒に仕事するのが一番楽しい。どうせ会うなら、あいだに仕事があるほうが、僕からしたら一番楽しいです。

岡田 それこそが大人の遊びだと思う。

峯田 そうなんです。ただ遊ぶんじゃなくて、ものをつくるほうは充実すると思います。

岡田 企みだからね。ドラマの撮影中は会わないけれど…。

峯田 でも、岡田さんが書いた脚本を読むことで、一緒にやっている感じはあります。

岡田 『奇跡の人』、『ひよっこ』と続いたってこともあるのか、一緒にやっている感覚は強い気がする。たとえ僕が現場にいなくても。ただ、そういう感覚を誰にでも持てるわけではないんだよね。

 

 

峯田 僕はふだん、音楽を作る側にいるから、監督など、映像を作る人の気持ちがわかるのかもしれないですね。僕はふだん裏方側ですから。プレーヤーですが、プロデューサーでもあり、MVの監督もやるので、裏方側の目線がわかるんです。

岡田 なるほど。

峯田 現場で監督はきっとこう動いてほしいんだろうなっていうのがわかります。たとえば、一時間楽屋で待っているより、セッティングを見ていたいと思うんですよ。

岡田 そうやってセッティングを見ていたりもするから、作り手の意図がわかるんだね。

峯田 こういうときはレールを使って撮影するのかとか見ていて勉強になります。MV撮影にプロのスタッフを使わず、全部自分たちでやっているんですよ。いまは以前マネージャーだったやつがカメラマンやっています。たいていスタッフが学生時代の友達なので、僕が代表して現場を見て勉強したことを、こうしたほうがいいよって伝えるんです。

 

岡田惠和のキャラクター作り講座?

 

──Tシャツもお友達がデザインしているそうですね。

峯田 今、この人が世の中的にキテるから、この人使おうよっていうことがよくあるじゃないですか。そうしたとき、その人が自分的によくないものをもってきてどうですか? と言われたら断りにくいじゃないですか(笑)。

岡田 そりゃそうだ。

峯田 友達だったら言える。

岡田 それでみんながレベルが上がっていくんだったらいいよね。素敵なことだと思う。

峯田 『いちごの唄』の装丁も、仲間がタイトなスケジュールの中で引き受けてくれて。

岡田 小説のタイトルもみんなで話し合って出てきたんだよね。ぽっと峯田君が出して来て。

峯田 もしかしたらこの小説から新たに曲が生まれてくるかもしれない。『いちごの唄』っていう曲ができそう。

岡田 映画の音楽はやっぱり峯田君じゃないですか。

峯田 ここまで本を仕上げてくれた岡田さんにお返ししたい気持ちはありますよ。

──最後に、小説に書かれている女の子がわりばしをうまく割れないディテール描写が面白かったです。実体験でしょうか。

岡田 経験じゃないです、あくまで想像で。今回のヒロインは、男の子目線でだけ描かれていて、どこか偶像じゃないですか。目に見える部分で若干ダメなところがあるとかわいさが増すのではなかろうかという、キャラクター作り講座みたいですね(笑)。

峯田 なるほどなあ、勉強になります。割り箸がうまく割れないっていう歌詞でも一行あるとそれだけで、ちがいますよね。

岡田 いっつも割れない人ってなかなかいないと思うけれど、うまく割れなかった残念感ってなんかあるじゃないですか。

峯田 いじらしいですよね。男から見ると。

岡田 割るのに失敗してすぐ捨てられたらいらっとくるけれど、捨てずに偏って割れた箸でがんばって食べてほしいなっていう。

峯田 お寿司とかに入っている醤油あるじゃないですか。どこからでも切れますって書いてあって、ぴっと切ったら醤油が派手に飛び出すことありますよね。

岡田 切るの下手な人いるね。

峯田 そういうのもかわいいですよね。

 

 

文・木俣冬
撮影 / 江藤海彦

 

プロフィール

 

岡田惠和

1959年東京都生まれ。脚本家。近年の主な作品にテレビドラマ『ひよっこ』、『奇跡の人』、『泣くな、はらちゃん』、『最後から二番目の恋』、映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』など。NHKの朝ドラこと連続テレビ小説は『ちゅらさん』『おひさま』『ひよっこ』と3作も描いている。橋田賞、向田邦子賞、文化庁芸術祭賞テレビドラマ部門大賞などを受賞。7月から日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS)が放送される。

 

峯田和伸

1977年山形県生まれ。ミュージシャン、俳優。99年バンドGOING STEADYでデビュー。解散後2003年新たに銀杏BOYZとしてデビュー。2017年には武道館ライブを行った。俳優としては、映画『アイデン&ティティ』で主役デビュー。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』、ドラマ『奇跡の人』、『ひよっこ』など。7月は『高嶺の花』(日本テレビ)に出演。19年大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』にも出演予定。

 

 

書籍情報

 

小説『いちごの唄』 岡田惠和/峯田和伸(朝日新聞出版)

幅広い層から絶大な人気を誇るロックバンド・銀杏BOYZの詞曲をもとに、NHK朝ドラ「ちゅらさん」「ひよっこ」などで知られる脚本家・岡田惠和が書き下ろす青春物語。峯田和伸(銀杏BOYZ)描き下ろしの絵も収録。

定価:1512円(税込)
発売日:2018年5月21日

 

 

文・木俣冬

 

文筆家。主な著書に「ケイゾク、SPEC、カイドク」(ヴィレッジブックス)、「SPEC全記録集」(KADOKAWA)、「挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ」(キネマ旬報社) 、共著「おら、あまちゃんが大好きだ! 1、2」(扶桑社)、「蜷川幸雄の稽古場から」、構成した書籍に「庵野秀明のフタリシバイ」、ノベライズ「マルモのおきて」「リッチマン、プアウーマン」「恋仲」「コンフィデンスマンJP」など。
エキレビ!で毎日朝ドラレビュー連載。 ほか、ヤフーニュース個人https://news.yahoo.co.jp/byline/kimatafuyu/ でも執筆。
企画構成した『蜷川幸雄 身体的物語論』(徳間書店)、初めて手がけた新書『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中!
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062884273

otoCotoでの執筆記事の一覧はこちら:https://otocoto.jp/ichiran/fuyu-kimata/

木俣冬

文筆家。主な著書に「ケイゾク、SPEC、カイドク」(ヴィレッジブックス)、「SPEC全記録集」(KADOKAWA)、「挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ」(キネマ旬報社) 、共著「おら、あまちゃんが大好きだ! 1、2」(扶桑社)、「蜷川幸雄の稽古場から」、構成した書籍に「庵野秀明のフタリシバイ」、ノベライズ「マルモのおきて」「リッチマン、プアウーマン」「デート?恋とはどんなものかしら?」「恋仲」「IQ246~華麗なる事件簿」など。
初めて手がけた新書『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中! http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062884273

その他、エキレビ!で毎日朝ドラレビュー連載。ヤフーニュース個人https://news.yahoo.co.jp/byline/kimatafuyu/ でも執筆。 otoCotoでの執筆記事の一覧はこちら:https://otocoto.jp/ichiran/fuyu-kimata/

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