――毎熊さんは、今年の第35回日本映画プロフェッショナル大賞の『「桐島です」』で主演男優賞を受賞されました。今後の目標などあれば教えてください。
毎熊 今の近藤さんの言葉が良すぎて‥‥、いやぁ難しいですね。実は何も考えていないと言えば、考えていなくて (笑)。自分たちは、日々、映画の仕事をしたり、今日みたいにインタビューに答えている日があったりしていますが、街を歩いている人の中には、映画を全く観ない人もいると思いますし、たまにしか観ない人もいると思います。でもふと映画を観て「あの映画がすごく好きだ」とか、会話の中に自分が出演している映画が登場すればいいなと思っています。実際、皆が映画を観ているとは思えないですし。でもあまり映画を観ていない人との居酒屋とかでの会話の中で「あの映画、良かったんだよ」と言われたらすごく嬉しいです。その良かった映画に自分が出演している映画が入っているといいなと思います。
――俳優を続けてきて、克服できていない部分やうまくいかない部分とかありますか。
毎熊 克服ですか?癖とかならいっぱいあります。でも、その癖はちょっとマニアックな部分かもしれませんが (笑)。


――セリフは苦労なく覚えられるんですよね。
毎熊 早くはないですけど、セリフは覚えられます。克服?何でしょうね。そうですね、もともと顔が…。目が細くて、唇が薄くて、“ちょっとどうかな?”って時に眉間が寄るのも、たぶん竹林監督はそこを見て当て書きをされたんだと思うんです。怒っているとかではなくって、ただ“何だったっけ? ”と思っている時に勝手になっちゃっているんです。顔自体にハッピーがあまりないんです (笑)。写真とか撮影する時も本当に穏やかな気持ちでカメラを見ているんですけど、「もうちょっと柔らかい表情で」と言われてしまうんです。ものすごく柔らかい気持ちでいるんですが伝わらなくて。柔らかな気持ちをあえて顔で作っていないと人には柔らかく見えないんです。そういうのは今もまだ克服できていないという感じです (笑)。
近藤 私は「ここはコメディだよ」というところで、笑わせられるようなセリフの言い方ができるようになりたいです。何か暗い部分を秘めている役を演じることが結構多いので、コメディにも挑戦していきたいと思っています。
毎熊克哉さんが終始困った顔で娘を心配する父親を演じるというのは新鮮であり、その頼りなさから一緒に東京まで旅をしているかのような気分にまでなれるのです。しかも3人娘はタイプの違う性格で、長女の責任感の強さを表情や立ち姿で体現する近藤華さんの演技は、胸に迫るものでした。みんなで末っ子を守りながら、子どもたちもそれぞれ悩みを抱えていることを丁寧に綴った脚本は、個性あふれる登場人物により笑いが加わり、愛情が詰まっていて家族で観てほしい温かな映画になっています。透明人間だけれどホラーじゃなくて、人の気持ちを知るお話。それも制作チームの優しさからではないでしょうか。
毎熊克哉 Makeup Designer:MARI / スタイリスト:カワサキタカフミ
近藤華 ヘアメイク: 井手真紗子 / スタイリスト:道端亜未

もしも、生まれた娘が透明人間だったら? とある島で、ひっそりと暮らす父と三姉妹の家族。この家族には、ちょっと変わった秘密があった。それは、末娘のひかりが生まれつき“透明人間”であること。娘たちを朗らかに育てた母親が亡くなった後、心配性の父は、三姉妹を人目から隠すように暮らしていた。そんなある日、東京で暮らす大女優の祖母が入院したという知らせが入る。祖母に、ひかりが透明人間であることを打ち明けられないまま、家族は東京へと出発することに。
監督:竹林亮
出演:毎熊克哉、鈴木凜子、近藤華、矢山花、寺島進、余貴美子、友近、濱田祐太郎、宇野祥平、円井わん、浅沼晋太郎、坂口涼太郎、板尾創路、加藤雅也、映美くらら
配給:PARCO、CHOCOLATE Inc.
©THE INVISIBLES Production Committee
2026年8月28日(金) 全国公開
公式サイト mienaimusume
