――お芝居の壁はあったりしますか。
壁‥‥、壁はなんやろな~? どれだけ自分が、集中出来るかだと思います。やっぱり自分の意見と監督の意見が違った時にどうやってそれを自分の中に落とし込めるかというのは、すごく難しいところです。前に自分の中では納得出来ない演出があったんです。自分がこの気持ちを持って、こういうのをやりたいと大事に思っていたからなんですけど、それを持って現場に入ったら全部変えられて、私はムカついた状態でお芝居をしてしまったんです。
でも撮影は進んでしまったのでそれに対して言うこともできなかったので、その気持ちのままホテルに帰ったんです。イライラが止まらなくて、母親に電話をして話を聞いてもらったんです。その時、母親に「自分の為にその人に優しくしなさい」と言われたんです。「その人の為に優しくは、ムカつくから出来へんけど、自分の為になら優しく出来るやろ」と。“確かに”と思って次の日現場に行って、監督と意見は違ったんですけど自分の意見を言う前に、監督の意見を聞いてみようと思って聞いたんです。
聞いた上で「でも私はそうじゃないと思います」と伝えたら、「片山さんのやりたいようにしてください」と監督が言わはったんです。“自分の意見を聞いて欲しいのなら、相手の意見も聞かないといかんのや”とその時に学びました。やっぱり対人間との仕事なので、その人とどれだけ意見が食い違った時に自分の中にどれだけ落とし込めるか、それが壁なんだと思います。

――いい話ですね。それが俳優として今、掲げている言葉なんですね。
そうですね。今までは駄目と思ったら結構シャットダウンするタイプだったんです。でもそうしては駄目だと学びましたね。
イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭へ取材に行った時のこと。上映後には涙を流しながら拍手をし、片山友希さんに作品への想いを伝える人も多く見受けられました。ある海外の俳優からは「そのままで居てね。あなたは素晴らしい」と声がけされていたのですが、英語がそれほど話せなくともオープンマインドな雰囲気を持つ片山さんは、言葉の壁を感じさせないくらいその俳優と親しくなっていました。そんな片山さんの代表作のひとつとなるであろう『FUJIKO』は、多くの女性を勇気づけていく作品になっていくのではないでしょうか。
ヘアメイク:足立 真利子 / スタイリスト:丸山 晃

舞台は、1977年の静岡。嵐がひどく停電した病院で娘・麻理を出産した富士子。母親になった喜びも束の間、夫の実家から理不尽な仕打ちを受け続けたあげく、姑と義姉に麻理を奪われてしまう。愛する幼な子と引き離された絶望の中、実母・千代の力を借りなんとか麻理を取り返した富士子は、周囲の反対を押し切りシングルマザーとして麻理を育てることを決める。しかし、その先に待ち構えていたのは、図らずも自身が憧れていたロックンロールのような波乱万丈の人生だった。
企画・プロデュース:MEGUMI
原案・監督:木村太一
出演:片山友希、渡辺友那、寺田楓、諏訪珠理、橋本淳、MEGUMI、馬場園梓、瀬戸さおり、ミズモトカナコ、成松修、関口アナン、YOU、リリー・フランキー、うじきつよし、竹下景子、イッセー尾形、岸本加世子
配給:Atemo
© 2026 FUJIKO Film Partners
2026年6月5日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
公式サイト fujiko-movie
