――【富士子】という役に入りやすかったですか。
そうですね。実は面接で「【富士子】に決まりました」となった時から台本が完成するまでに、何回も改訂した台本を読ませてもらえてたんです。撮影まで8ヶ月間ぐらいあったのですが、最新の台本をずっと読ませて頂き、それに最後の本打ち合わせにも参加させてもらえたんです。だから改訂する度にシーンがなくなっていたり、変わっていたりするんですけれど、前の台本を読んでいるから、変更前の状態を自分の頭で記憶しているので、その部分に対しての引っ掛かりがなかったんです。本打ち合わせの最後に参加させてもらえた時も、自分で台本をずっと読んではいましたが、人の声で物語を聞くとまた新しくて。“木村監督はこういう想いでこのシーンを作っていたんだ”とか台本だけでは得られないことなどを吸収できました。だから「結構、【富士子】の役作り頑張りました」というよりも自分はずっと関わらせてもらえていたので、そのまま演じることが出来た感じです。

――ご自身が出されたアイデアは、採用されたのですか。
『ブリジット・ジョーンズの日記』でブリジットが、オープンカーでのドライブデートの時、「あ~」って風を感じているシーンの後に、彼女の髪がボサボサになっているというシーンがあるのですが、私はあのシーンが大好きなんです。だから岸本加世子さん演じる富士子の母親【千代】がYOUさん演じる義理の母【敏子】と喧嘩しているシーンで、「ちょっと【千代】の髪の毛がボサボサになってもいいんじゃないですか?」と提案したんです。そうしたら「それ面白いね」と採用されたんです。
――岸本さん演じる【千代】は強烈なキャラクターとしてスクリーンに焼き付いていますよね。それと片山さん自身は、赤ちゃんと接するシーンが結構ありましたね。
そうですね。本番以外はずっと人形でテストをやっていました。義理のお母さんとお姉さんに赤ちゃんを取られるというシーンの段取りも、テストもずっと人形でやっていたんです。そのこともあり、3人ともしっくりきていなかったんです。本番では本物の赤ちゃんで撮影をするので、絶対に赤ちゃんにケガをさせるわけにはいかないから「こんなふうに赤ちゃんを取りましょうか」と段取りだけは決めたんです。リハーサルでは自分の心の動きがなかったので“本番でやってみないとわからへんか‥‥”と思っていたんですが、実際に本物の赤ちゃんを抱かせて頂いた時に、赤ちゃんの重みであったり、温かさ、匂い、泣き声をすごく感じて、初めて皆の心が動いたんです。





