Jan 26, 2017

インタビュー

園子温監督&冨手麻妙に聞く『アンチポルノ』の世界。冨手がヌードになれた理由とは?

 日本を代表する実力派監督5人が競作した「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の第3弾となるのが、園子温監督&冨手麻妙主演作『アンチポルノ』だ。人気作家・京子の華やかで刺激的な生活が描かれる本作は、今回の5作品の中でもっともアート性が高く、またどこまでが京子の実人生か虚構の世界なのか分からないというメタフィクション構造を持ち、園監督ならではの極彩色にいろどられた世界が繰り広げられる。初ヌードに挑んだ冨手の過激な演技に加え、園監督が今の日本に感じる怒りや不安といった様々なイマジネーションが盛り込まれた問題作と言えそうだ。『アンチポルノ』に込めた2人の熱い想いとは!?

 

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──日活からのオファーを受けた経緯について教えてください。

 最初はお断りしたんです。日活ロマンポルノに強い思い入れがあるわけでもなく、懐古趣味で映画を撮るのは嫌だった。「そもそもポルノ映画って何なの?」「今、撮る意味が分からない」と日活からのオファーを断ったんですが、その中で「アンチポルノだったら撮れるけどね」と口にしたところ、それでもいいというので撮ることになりました(笑)。主人公は二日酔い状態から、裸のまま起き上がり、むしろSEXシーンでは服を着たままだったりする。裸ではあるけれどポルノではないという考え方で撮った映画が、この『アンチポルノ』です。

 

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冨手 私は園さんの『自殺サークル』(02年)を観て以来、園さんの大ファン。日本映画であんなに激しい作品に出逢ったのは初めてでした。いつか一緒に仕事をと思っていたんですが、そうそうチャンスは来ないから、自分から行かなくちゃと、渋谷で園さんがトークイベントをやったときに出待ちしたんです。それが初めての出会いでした。出待ちのときはトイレにずっと隠れていたんですが、人生で最高に緊張しました。そのときの園さん、冗談だったのか分かりませんが「お前、脱げるか?」と訊いたので、「はい、脱げます」と(笑)。それで、しばらくして『新宿スワン』(15年)に1シーンだったんですが、声を掛けてもらって。『リアル鬼ごっこ』(15年)や海外で上映された短編『Love of Love』などにも出させてもらったんです。自分の中では園さんの作品に主演するのが目標だったし、初めて脱ぐのも園さんの作品でと決めていたので、『アンチポルノ』で目標が叶って単純にうれしかったし、やっと来たなという気持ちで撮影に臨ませていただきました。

 

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 なるべく、若いキャストが出演する機会は作ろうと考えていますし、脱ぐ、脱がないは別にしても、「この子で何か撮るかもしれないな」という勘が働きました。それで『新宿スワン』に15秒ほどのシーンだけどテストの意味合いで呼んだら、「あれ、面白いな」と思えた。それで少しずつ出番を増やしていったんです。

冨手 『新宿スワン』に初めて呼ばれたときは、必死でしたね。「ここで園さんの心をつかまなくちゃ。そうじゃないと私はもう終わってしまう」と。

 彼女の芝居を見た伊勢谷友介さん、凍り付いたぐらいでしたからね(笑)。満島ひかりさんのときもそう。『帰ってきた時効警察』(テレビ朝日系)でちょっとした役に起用したら、面白かったんです。それで映画もやるようにしたんです。そういうケースが何回か続いて成功したので、その勘は信用していいかなと(笑)。

 

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