Apr 04, 2018

インタビュー

女性たちのリアルな欲望とセックスを描く衝撃作『娼年』 監督・三浦大輔×主演・松坂桃李 ロングインタビュー

 

2016年に舞台化された石田衣良原作の『娼年』が映画化された。一糸まとわぬ姿で大胆な表現に挑戦し、センセーションを呼んだ舞台に引き続き、映画でもタッグを組んだ三浦大輔監督と松坂桃李。娼夫となった主人公とさまざまな欲望を露わにしていく女性たちの愛とセックスを描く衝撃的な作品だけに、ふたりには共同戦線を張った戦友のような、固い信頼と絆が生まれていた。

 

──さまざまな感情が呼び起こされるすごい映画でした。中でもやはり話題になるのはリアルなセックスシーンだと思いますが、すべて絵コンテを描いて、5日間リハーサルをみっちりされたそうですね。

松坂 リハーサルや絵コンテは重要でしたよね。

三浦 そうですね。

松坂 今回は身体と身体のコミュニケーションでの会話がメインなので、そのシーンでの感情作りをリハーサルからちゃんとする必要がありました。各濡れ場での感情と動きの確認を、僕も三浦さんも、カメラマンさんを含めた技術スタッフさんもしないといけなかったんです。

 

 

三浦 今までの僕が観てきた映画作品はどれも、セックスを撮りっぱなしという印象があったんです。そういうシーンをとりあえず役者さんにやってもらって、カメラを回しっぱなしにして、後で編集で繋ぎ合わせていくような。でもこの作品はそうではなくて、ひとつひとつのシーン全て、カメラ位置とアングルをしっかり決めて、役者さんにここでこう演じてもらって、この動きを表現してもらうというように狙って撮っていったという感じなんです。ひとつひとつの動作――キスからの流れも全て、松坂くんや相手の女性の感情をちゃんと拾うにはきっちり撮ることが重要だったんですが、それがえらい面倒くさい作業でして(笑)。普通はこっちから撮って今度はあっちから撮って3回戦くらいやって終わりなんですけど、この作品では、キスからここまでの狙った画が撮れたら、次はおっぱいを揉んでからのカットだけど、それだと感情が湧かないので、じゃあ最初のキスからもう1回いきましょうみたいな感じで(笑)、狙った画を撮るために何回も何回も繰り返し撮りました。ひとつの流れを積み重ねで撮っていくので30~40カットくらいやったのかなあ。

 

 

松坂 そうなんですよね。気が遠くなるような(笑)。

三浦 だからひとつの濡れ場は丸1日かかるし、オーバーする時もありました。それを松坂さんや女優さんたちと何回も繰り返して、感情が抜け落ちないようにやって。とてつもなく効率が悪い……と言ったら違いますけど(笑)、面倒くさい作業だし、そんなことをやって意味があるのかって思われるかもしれないですけど、この作品はそうしないと今までのセックスを描いている映画と違うものにならないという意識があった。だから松坂くんにも説明してやっていただいたっていう。描きたかったのは肉体を通しての会話ですから。

──セックスシーンにおける松坂さんの動きのリアリティがすごかったです。

三浦 それは舞台からっていうのもあるよね。

松坂 そうですね。

三浦 映画はカット割りができますから、隠すということに関しては舞台の方が辛かったんですよね。色々なテクニックは舞台のときに培ったんだけど、あとはお尻の痙攣とか松坂くんのアドリブだから……(笑)。

松坂 いやいやいや(笑)。三浦さんの作品のポイントとして“逃げてない”という覚悟が必要だというのは確実にあったので、自分も出来る限りのことはやりたいという気持ちはありましたね。

 

 

──舞台から映画化ということで、松坂さんも含めてキャストの方は一部同じでしたけど、映画でもある意味、カンパニー的な雰囲気はあったのでしょうか?

松坂 舞台から一緒の猪塚(健太)くんや江波(杏子)さんはいてくださると頼もしかったんですけど、基本、現場に出ずっぱりなのは僕と三浦さんで、他のキャストの方をお迎えするという感覚というか(笑)。だからふたりで共同戦線を張って受け入れ態勢を万全にして、監督と僕の共通認識を来てくださるキャストの方に感染させて、一致団結していく感覚を瞬間的に作っていくという感じでしたね。

──女優さんは江波さん以外は舞台とは違いましたね。

三浦 女優さんはほぼオーディションで選びました。演技はもちろん、そこでこちらのやりたいことの意図を説明して、作品に対する覚悟やモチベーションを確認しました。やっぱりオファーだとその辺の意識がわからないので。そこから松坂くんといざ相対して殺陣――殺陣じゃなくてセックスシーンなんですけど(笑)、ここはこうしないと見えちゃうなどの技術的な面をしっかり確認してから現場に臨みました。

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