Feb 07, 2017

コラム

全県の「ゆるパイ」を集めたイベントを開催することになったのだが・・・

→前回までのコラムはこちら

「ゆるパイ不毛県」
 とぼくは呼んでいる。元々あまりゆるパイがない県だ。全国に数県ある。現地に行けば探すこともできるが、東京では、まず手に入らない。こいうメーカーは通販サイトにも載っていないのだ。
 今回、東急百貨店吉祥寺店で開催される「全国ゆるパイ展2017」は全県展示だから、抜けがあってはいけない。スタッフに、
「どの県が手に入らないの?」
 と聞くと、
「ここと、ここと…それから、この県も…」
「OK。この県にはこういうゆるパイがある。それはこのルートで手に入る。こっちの県では、この知り合いに頼む手がある。それから、この県は…」
 自分でも驚いたが、各県のゆるパイを入手する裏技がすらすらと出てくるのだ。ああ、前回の苦労は無駄ではなかった! 芸は身を助ける。(この芸を、今後どこで生かすというのか?)

 ぼくのやり方は、知り合いに頼みまくるという「はた迷惑作戦」でもある。
「まてよ? その県にはたしか今週、森山良子さんがコンサートで行くはずだ」
 と思い出す。ぼくはmusic10という番組で、毎週、森山良子さんと会っている。以前、良子さんは「ゆるパイ」を面白がって、ツアー各地で「青銅さん、こんなパイ見つけたわ。知ってる?」などと買ってきてくれた。
 そこで、良子さんのスタッフに、「申し訳ないけど、ツアー先でゆるパイを買ってきてもらえませんか?」と恐る恐るメールをした。すると数時間後、
「青銅さん、バッチリです! すでに二種類算段しました。さらに面白いのを探します!」
 というノリのいい返事が返ってくる。

 知り合いの漫画家・ヤスコ―ンさんがちょうど取材で九州に行くと知って、
「ついでに、このゆるパイ買ってきてくれませんか?」
 とメールすると、
「了解!ほかに揃ってない県ありますか? 現在集まってるゆるパイのリストください。ダブらないよう買ってきます!」
 とこれまた、異常に協力的。

 放送・出版業界の人間は面白いモノ好きで、フットワークが軽い。「ゆるパイとは…」なんて説明をクドクドしなくても、すぐに趣旨を理解して、ツボを外さない買い物をしてきてくれるのだ。ありがたい。

 こうして、基本的には人に頼んで安心していたら…、
「青銅さん、全47県分の『ゆるパイ手書き解説』を書いてください」
 と言われた。これは前回ヒカリエでやって好評だったものだ。今回は新作ゆるパイもあるので、あらたに全部書き直さなければならない。手書きだと結構大変なのだ。「う~ん」とぼくが躊躇していると…、
「展覧会じゃなかったんですか? 文化の発信じゃなかったんですか?」
 自分の言葉が、ブーメランのように返ってくる。
「…はい。書きます」
 さらに、
「青銅さんのゆるパイ・トークショーもやりましょう!スライドショーで」
 もうこうなったら、パイを食らわば皿まで。
「やりましょう!」
 どうやら「ゆるパイ」という言葉には、多くの人を巻き込む不思議な力があるようだ。実はこの時、もう一つ別の動きが始まっていたのだが…それはまた今度このコラムで紹介する。

「全国ゆるパイ展2017」は、東急百貨店吉祥寺店で2月10日~14日に開催されます。果敢に、バレンタイン・ウイークに「パイ」で挑む! 前回とは違う新作ゆるパイもたくさん収集しました。解説も書きます。現地以外では買えないゆるパイの販売もあります。
 2月12日(日曜)15時からは「ゆるパイ展キュレーター(藤井青銅)による、スライドショー&トークイベント」もやります。ゆるパイ試食付き…らしいです。 よろしかったら、どうぞ。

 

ゆるパイ展2017

 

お知らせ

 

otoCotoで連載中のコラム『藤井青銅の「この話、したかな?』の書籍化が決定!
(タイトル未定/新潮社より2017年3月末発売予定)

 

2015年7月~2016年6月(01大瀧詠一~96チェッカーズ)から厳選したコラムが掲載されます。
現在、藤井青銅公式twitter(https://twitter.com/saysaydodo)にて、書籍に掲載してほしいコラムの投票も受付中です!
書籍化対象となるコラム(01大瀧詠一~96チェッカーズ)は2017年2月末まで閲覧可能です。
この機会に再読の上、ぜひ藤井青銅公式twitterにてご投票ください。

藤井青銅

藤井青銅(ふじいせいどう)
23歳の時「第一回・星新一ショートショートコンテスト」入賞。これを機に作家・脚本家・放送作家となる。

書いたラジオドラマは数百本。腹話術師・いっこく堂の脚本・演出・プロデュースを行い、衝撃的デビューを飾る。最近は、落語家・柳家花緑に47都道府県のご当地新作落語を提供中。 著書「ラジオな日々」「ラジオにもほどがある」「誰もいそがない町」「笑う20世紀」「あなたに似た街」「【悲報】本能寺で何かあったらしい……光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0」…など多数。

藤井青銅著「ラジオにもほどがある」(小学館刊)
→電子書籍版

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