去る12月5日、もはや人気特番となっているNHK BSの『大投票』において『全美少女戦士セーラームーンアニメ大投票』が放送された。
https://www.nhk.or.jp/anime/sailormoon-all/index.html
この特番シリーズは毎回楽しく見ている。お祭り感はもちろん、出演者のトークや解説だけでなく視聴者から寄せられるコメントなどから、当時にその作品を自分はどう捉えていたのか。そして今はそれをどう考えているのかということへの思索が生まれることも楽しい。ライトな部分では推しだったキャラクターが変化したことに気づくこともあるし、自分の中でストーリーやテーマへの印象や受け止め方、解釈そのものが全く変わっていたことに気づかされることもある。
『美少女戦士セーラームーン』は『なかよし』で連載されていた武内直子によるコミックを原作に、1992年から97年まで5シリーズにわたって放送されていたTVアニメ…とわざわざ書くまでも無いほどの大ヒットアニメシリーズだ。2014年には武内の原作コミックを忠実にアニメ化することをコンセプトとした新シリーズ『美少女戦士セーラームーンCrystal』が制作され、2021年1月、2月には『Crystal』の続編となる『劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal』が前後編で公開される予定となっている。
『劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal』公式サイト
https://sailormoon-movie.jp/
これだけの作品であると再放送や配信で接した人も多いだろうが、『大投票』で投票のボリュームゾーンはリアルタイム世代の現在30代の女性層だった。番組でもまさにリアルタイム直撃となる中川翔子さんらスタジオ出演者の反応などから、この作品が当時の女の子にとってどれだけ大きなものであったのかを再確認させられた。
女の子にとって大きな作品であったことはわかる。だが、男の子にとってはどうなのだろう。このことについて僕は20年くらい前から「もしかして『セーラームーン』って非アニメファンの、とりわけ男性層にはほとんどまともに知られていないか勘違いされている作品じゃないのか?そしてその無知さはかなりマズいんじゃなかろうか?」と漠然と思っているが、それをあらためて考えてしまった。