そういった新鮮さを感じる作品がもう1本放送されている。
『D4DJ First Mix』
https://anime.d4dj-pj.com/
『D4DJ』はDJをテーマにゲームやライブなどのメディアミックス展開をしているブシロードのプロジェクトで、本作はそのアニメ版となる。
見た目こそ美少女アイドル物作品の側面は残しつつ、中心はクラブミュージック。『ヒプマイ』のラップ同様、これまでの音楽アニメ、アイドルアニメではあまり扱ってこなかったジャンルだ。そしてその音楽を伝える手段として主人公らが展開するのもただのアイドル活動ではなくDJユニットとしての活動がアイドル的なビジュアルとなる。オリジナル楽曲だけではなく、大人にはちょっと懐かしい曲のカヴァーが効果的にミックスされて流れるのもポイントだ。
本作は手描きではなくフル3DCGのアニメだが、ターンテーブルなどの機器の緻密さだけでなく、音楽に合わせて画面に展開するVJ映像などCGである利点が活かされている。無知な主人公にレクチャーをするというセオリー的な展開も持ち込んでいるので、「ミックスとはなんぞや?」であるなどの基本的な技術についてもわかりやすくとっつきやすい。
考えてみれば大ヒットした『ガールズ&パンツァー』でも「アニメはあまり見ないのでよく知らないけど、戦車描写の緻密さが好き」ということで食いついた人たちも少なくなかった。逆に同作から興味持ち、タミヤの1/35戦車模型などに手を出し始めたアニメファンもいる。それと同じく、こういった音楽アニメにも「そのアニメやキャラクターそのものには詳しくないが、その作品の楽曲を楽しむためにその作品を見る」という人が現れ、逆にこういう作品からそっち方面の音楽カルチャーに興味を持ち足を向けるようになるアニメファンもいるかもしれない。
こういった作品には異分野カルチャー同士を結びつける“のりしろ”のような面もある。それで繋がったものがどういう現象に繋がるのか。そういうことへの期待がまたこういう作品に僕が惹かれる理由でもある。
いまだ現実のライブハウスなどには再開にあたっての制限が多いが、いつかの再開時に、そこには新たなファンの姿があり、新たな盛り上がりが生まれることになれば面白い。音楽のジャンルが広く多様性も多い以上、それを題材とした“耳で楽しむアニメ”の可能性もまた、まだまだ未知数といえる奥の広さを持っている。
文 / 岡野勇(オタク放送作家)
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』
【放送情報】TOKYO MX、BS11他にて放送中、各種配信プラットフォームにて配信中
【再放送】TOKYO MX 2021年1月2日(土)より 21:30~22:00 / 1月9日(土)より 22:30~23:00
BS11 2021年1月3日(日)より 24:30~25:00
【公式サイト】http://www.lovelive-anime.jp/nijigasaki/
©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rhyme Anima
【放送情報】TOKYO MX、BS11他にて放送中、各種配信プラットフォームにて配信中
【公式サイト】https://hypnosismic-anime.com/
©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima製作委員会
『D4DJ First Mix』
【放送情報】TOKYO MX、他にて放送中、各種配信プラットフォームにて配信中
【公式サイト】https://anime.d4dj-pj.com/
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