Jul 26, 2017 column

不寛容時代の今、アニメ『セントールの悩み』は視聴者とアニメ制作の現場に多様さを問いかける

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中でもネットゲームを題材とした『銀の墓守り』は、プロデューサーへのインタビュー記事などによると大きな転換となった作品のようだ。内容的にも『TO BE HERO』のようなハチャメチャな作品も作られるようになってきた。

今年に入り、原作が日本の作品も展開している。前期に放送されたのは『喧嘩番長 乙女』で、これはスパイク・チュンソフトのゲームが原作だ。日本のアニメ制作会社project No.9×A-Realが制作をしスタッフも日本。とはいえこの作品は10分枠のショートアニメシリーズだったのだが、今期、日本原作での30分枠作品に取り組んだのがこの『セントールの悩み』になる。この作品も日本のアニメスタジオ・エンカレッジフィルムズが制作を手がけている。 製作委員会にはアメリカで日本のアニメを配信する大手であるクランチロールも入っているので日中以外での海外展開も視野にあるようだ。さすがにそれは意識してそうなったのではないと思うが、いくつもの国が関わっているこの製作体制そのものが、作品同様の多様性への問いかけを表しているかのようにすら感じる。

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複数の国が関わる体制で製作し、複数の国で放送される。楽しい日常の中で多様性を問いかけるこの作品は、世界中の人の何人かをハッとさせ、考えさせ、その意識を変えるかもしれない。そのようなテーマが必要になったことは哀しいことであるのかもしれないが、同時にそんな作品が出てきたかもしれないことに国境を越えてゆくアニメやコミックの底力を感じ嬉しくも思う。 作品としても、市場に対しても、双方の意味においてこのアニメ化がどういう影響を生み出すのか。楽しみだ。

文 / 岡野勇(オタク放送作家)

原作コミック

『セントールの悩み』 村山慶(著) / COMICリュウ

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