アメリカが誇る怪獣キングコングが復活することで大きな期待を集めている『キングコング:髑髏島の巨神』が3月25日より日本で公開される。
物語の舞台は1970年代の南洋の謎の島。調査のため島に潜入した遠征隊の前に突如、巨大な守護神コングが姿を現す。さらにコング以外の巨獣たちも出現。絶体絶命の状態の中、やがて島の秘密が明らかになる。果たして人間たちは生きて島から脱出できるのか……。
この『キングコング:髑髏島の巨神』の監督を務めたジョーダン・ボート=ロバーツが来日! 2月7日に新宿ピカデリーにて、本編映像の一部を特別に先行上映し、ロバーツ監督みずから作品について語る公開プレゼンテーションイベントが行われた。
登壇したロバーツ監督が「日本が大好きです。焼酎も大好きです(笑)。幼少のころから日本のゲームやアニメ、マンガを見ていたので、それらはDNAの一部になっています」と日本と日本のエンタメ作品への愛を語った後、いよいよ待望の先行上映!
この日、お披露目されたのは計4つの映像。ロバーツ監督がもともとファンだったというギタリストのMIYAVIが登場するオープニング、『地獄の黙示録』などをほうふつさせるヘリコプター部隊がキングコングと遭遇する場面、キングコング以外の別のクリーチャーたちの登場場面、巨大生物たちの骨が散乱する墓場のような場所での緊張感あふれる場面が上映された。
あくまで本編の一部であるにも関わらず、新しいキングコング映画としての魅力が十二分に感じられたが、そこにはロバーツ監督が語った「モンスターが登場するのを待たせる映画は好きではないので、いきなりキングコングを登場させた」「1933年の最初の『キングコング』に原点回帰したかった」「キングコングを巨大な猿やゴリラではなく、神のように思わせたかった」といった考えが背景にあるように思われた。
その他、ロバーツ監督は「クリーチャーは恐竜やエイリアンのようにはしたくなかった」「クリーチャーは宮崎駿作品のような精神性、美しさ、力、重み、恐ろしさがあるものにしたかった」「(あるクリーチャーについて)『千と千尋』のカオナシや『エヴァンゲリオン』の使徒(サキエル)にも似ている」などとも語ってくれた。
そして、ここで『シン・ゴジラ』などで知られる樋口真嗣監督がゲストとして登場。
樋口監督は登場するやいなや、「(ロバーツ監督が影響を受けたと言ってたのは)ゲームの『ワンダと巨像』です」「(MIYAVIの役名の“グンペイ・イカリ”の元ネタについて)なんで横井軍平(ゲームボーイの生みの親)を知ってるんだ?」「(今度のキングコングは)最初にウリス・オブライエンが作った人形アニメのコングっぽい。ピーター・ジャクソンの大きなゴリラのようなコングではなく、どちらかと言うとリック・ベイカー(特殊メイクの巨匠)っぽい」「今回、あのジョン・ダイクストラ(『スター・ウォーズ』などに参加したベテランSFXスタッフ)がILMに復帰して参加してるんですよ!」などと濃厚すぎるコメントを多数繰り出した。
また、この日は日本オリジナルのポスターも初公開された。イラストを手がけたのは、“怪獣絵師”とも呼ばれ、ゴジラやウルトラマンなどのイラストで高く評価される開田裕治氏。迫力のあるポスターをロバーツ監督も「死ぬまで壁に飾りたい」と大絶賛。フォトセッションでは、ロバーツ&樋口両監督が開田氏を招き入れて三者で撮影を行った。
トークの最後に『キングコング:髑髏島の巨神』へのコメントを求められた樋口監督は、「こんな大好物をありがとうございます。正統派の怪獣映画の予感がします」と改めて期待を語り、ロバーツ監督も「『シン・ゴジラ』は大傑作でした」と絶賛した上で、「『シン・ゴジラ』が成し遂げたことを、この映画でもやろうとしました。早く日本の皆さんに見ていただきたいです」と語ってイベントを締めくくった。
文/武富元太郎
『キングコング:髑髏島の巨神』
出演:トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリー
監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
配給:ワーナー・ブラザーズ映画
公式サイト: www.kingkong-dokuro.jp
2017年3月25日(土) 全国公開
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